展覧会 · Upper East Side

ダン・ヴォー「Rebuilding Liberty」

ヴィルチェック財団で、2027年6月25日まで開催中のダン・ヴォー展。自由、移民、国民的アイデンティティ、公共のシンボルが持つ揺らぎやすい意味を問いかける。2026年イサム・ノグチ賞受賞を記念する動きの一環。

文・NBT編集部 · 2026-10-15

ダン・ヴォー「Rebuilding Liberty」
Image: Instagram @noguchimuseum

ヴィルチェック財団で、アーティストのダン・ヴォーによる展覧会「Rebuilding Liberty」が2027年6月25日まで開催されている。テーマは自由、移民、国民的アイデンティティ、そして公共のシンボルが持つ不安定な意味。長い会期のため、ゆっくり足を運べる展示だ。

ヴォーはベトナム生まれでデンマーク国籍を持ち、現在はドイツの田園地帯に暮らす。異なる文化や歴史の文脈を一つの作品の中で向き合わせる手法で知られ、今年はイサム・ノグチ賞を受賞した。日系アメリカ人の彫刻家ノグチ自身の、分野や文化をまたぐ実践と響き合う受賞といえる。

この展覧会と並行して、チェルシー近くのホワイトキューブ・ニューヨークでも個展が開かれていた(10月16日まで)。そちらでは、ブロンズ彫刻や宗教的な聖遺物、生け花に着想を得たガラス作品、海底から引き揚げられたベトナムの陶磁器など、多様な素材が並び、物と歴史との思いがけない結びつきを示した。ヴォーは「文化は土着のものではない。文化とは交配であり、混ざり合いだ」と語っている。

会場のヴィルチェック財団は、アッパー・イースト・サイドのイースト70丁目にある。ホワイトキューブ展を見逃した人も、ここでヴォーの視点に触れられる。移民として米国に暮らす人や、アイデンティティの重なりを日々感じる人にとって、自由の象徴をあらためて考えるきっかけになるだろう。

場所
Vilcek Foundation
21 E 70th St, New York, NY 10021
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