出場停止中のブルックリン・ネッツのガード、カイリー・アービングは出場停止期間が終わりに近づいており、早ければ今週日曜日のメンフィス・グリズリーズ戦でチームに再合流する見込みと報じられている。
ネッツはアービング復帰に対して、反ユダヤ主義ではないことを正式に公言し、ネッツの設定した公正プログラムを実行するなどの幾つかの項目を全てクリアにすることを条件としていた。アービングは出場停止が発表された後、正式に謝罪し、ネッツのオーナーのジョー・ツァイやNBAのコミッショナー、アダム・シルバーと面談している。アービングの正式な謝罪後は、レブロン・ジェームスをはじめとする一部の選手からはネッツが出している条件が厳しすぎるのではとの声も出ていた。
木曜夜のポートランド・ブレイザーズ戦の時点で、アービングは8試合連続で欠場している。この間ネッツは現在4勝3敗。下記は現地のメディアThe Sporting Newsが紹介していた、アービング不在時のそれ以前を比較したデータである。
データ上の突出すべき項目はディフェンスであり、アービング不在時は12ポイントも向上してる。またデータ上は攻撃に関しても僅かながら向上しており、全ての面でアービング不在時の方がチームとしてのパフォーマンスが上回っていたことが示されている。
しかしながら、この間ネッツはスティーブ・ナッシュからジャック・ヴォーンにヘッドコーチを交代をしており、データは対戦相手にもよるので、一概にアービングがいない方がチームとして機能しているという話にはならない。
次に示すのはネッツのエースであるケビン・デュラントのデータである。
アービング不在の危機にエースに頼るかと思いきや、意外にも出場時間アービング不在時よりも出場時間が減っている。
点差が開いたゲームが あったこともあるが、これはスターに依存していたナッシュ時代から、ジャック・ヴォーンHCに変わったことが影響しているのかもしれない。デュラントは現在34歳で、怪我が怖い。またネッツのロースターは実績のある選手や才能ある若手が揃っている。アービングが戻ってどのような起用法で戦っていくのかはわからないが、去年のチャンピオンのゴールデンステイトをみてもチーム全員で戦っていき、総合力を上げていくという方向性の方が良いかもしれない。
アービングは今季も平均26.9ポイントをあげており、NBA屈指のテクニシャンで爆発的な攻撃力を秘めていることは間違いない。アービングがジャックヴォーンのシステムにフィットし、この間のディフェンスの向上を維持できれば、非常に面白いチームとなるだろう。度々問題を起こしているアービングだが、実力は折り紙付きでチームを大きく向上させる力を持っているし、それを期待したい。