展覧会 · The Noguchi Museum · Long Island City
イサム・ノグチ、ノグチ美術館で1986年ヴェネチア・ビエンナーレを振り返る「Light and Stone」
ロングアイランドシティのノグチ美術館で、イサム・ノグチが1986年に米国代表として臨めたヴェネチア・ビエンナーレから40年を迎え、写真や素描、模型、あかりで当時を振り返る資料展が2027年5月9日まで開かれている。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

ロングアイランドシティのノグチ美術館で、「Light and Stone: Revisiting Noguchi's 1986 Venice Biennale」が開催中だ。会期は2027年5月9日まで。1986年、イサム・ノグチはアメリカ館の単独作家として初めてヴェネチア・ビエンナーレに参加した。その40周年にあたり、同館が所蔵するコレクションとアーカイブから資料を選び、この展覧会を読み直す。会場は1階のエリア5にある1室の資料展示だ。
1986年の展示「What Is Sculpture?」は、MoMA PS1の創設者アラナ・ハイスがコミッショナーを務め、メトロポリタン美術館の元学芸員ヘンリー・ゲルツァーラーが企画した。ノグチにとってヨーロッパで初めての大規模な発表であり、彫刻とデザイン、環境の境界を揺さぶる内容は批評家を困惑させたという。金獅子賞は受賞していない。
中心にあったのは、アメリカ館の中庭に置かれた高さ約10フィート(約3メートル)の大理石の螺旋すべり台《Slide Mantra》である。遊びを人間に欠かせない経験と捉えてきたノグチの考えを示す作品で、1930年代以降に構想した未実現の遊び場のブロンズ模型とともに並べられた。大型の石や鉄の作品に加え、あかりも大きく取り上げられた。商業的な印象が批判を招くとゲルツァーラーら親しい人々が懸念するなか、ノグチはあかりを出品した。記念碑性と軽やかさ、伝統と技術、抽象と機能といった対立を、東西のはざまを行き来する彫刻の方法として組み立てた展示だった。
今回の展示では、当時の記録写真、建築の素描、《Slide Mantra》の模型、あかりが並ぶ。ノグチが1985年ごろに書いたビエンナーレの声明草稿も資料として紹介されている。ビエンナーレで見せた遊び場や大地の造形の未実現模型の一部は、2階ギャラリーの「Noguchi's New York」で見られる。キュレーターは同館のヒトミ・イワサキ。
2026年は、あかりの誕生から75年の節目でもある。1951年、岐阜市長の依頼を受けたノグチは、楮紙と竹ひごで作る岐阜提灯の産地を立て直すため、電球を使う新しい形の灯りを設計した。その後約30年で約200種を生み出している。本展は、今年同館が組む一連のあかり関連企画のひとつだ。
また、同館は2026年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館で、国際交流基金とともに荒川ナッシュ医の展示「Grass Babies, Moon Babies」に作品を出している。荒川ナッシュ医は、1986年のために作られたあかりを使った子ども向けワークショップも行う。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 5月6日 – 5月9日
- 作家
- Isamu Noguchi
- 会場
- The Noguchi Museum
9-01 33rd Road, Long Island City, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 11:00〜18:00(公式サイト掲載の当日の開館時間)
- 見どころ
- 《Slide Mantra》の模型と、1986年の制作・設置風景の記録写真
- ビエンナーレ出品時のあかりと、1985年の声明草稿
- 2階「Noguchi's New York」で見られる未実現の遊び場模型
- あかり誕生75周年と、荒川ナッシュ医による日本館展との連動




