展覧会 · MoMA PS1 · Long Island City
NYロングアイランドシティのMoMA PS1で上津雅夫「Windows and Bars」
長野県出身の写真家マサオ・ゴズ(1946年生)の米国初の美術館個展。1970年代から現在までの「Windows」と「Harry's Bar」シリーズを中心に、ニューヨークの街と時間の流れを見つめる。入場無料、2027年3月15日まで。
文・NBT編集部 · 2026-11-05
ロングアイランドシティのMoMA PS1で、長野県出身の写真家・彫刻家Masao Gozu(1946年生)の個展「Windows and Bars」が11月5日に始まった。アメリカの美術館で彼の仕事を取り上げる初の展覧会で、会期は2027年3月15日まで。1970年代から現在までの写真を絞り込んで紹介し、なかでも「Windows」と「Harry's Bar」の2つのシリーズの代表作に焦点を当てる。
Gozuは1970年に東洋美術学校を卒業し、翌1971年にマックス・ベックマン奨学金を得てニューヨークに渡った。1971年から73年までブルックリン美術館附属美術学校で学んでいる。街を歩きながら、ベイ・リッジからリトル・イタリーまで、テネメント(集合住宅)の窓越しに人々を撮り始めたのが「Windows」シリーズである。窓を舞台の枠に見立て、日常という芝居をのぞき見るような構図が特徴だ。写っている人物がカメラを見返すことはほとんどなく、フレームの外で起きている何かを眺めている。何者なのかはっきりしない登場人物たちが、見る側の想像をかき立てる。
このシリーズは2004年まで続き、撮影された写真は数千枚に及ぶ。近年Gozuは、かつて撮影した場所を再び訪ね、同じ場所を撮り直す作業を始めた。展示では、街並みが大きく変わった場所もあれば、意外なほど変わらずに残る場所もあることがわかる。出品作には、チャイナタウンのモット・ストリートを1972年5月にゼラチン・シルバー・プリントで撮った作品と、2025年3月にデジタルで撮った作品があり、いずれも20×16インチ(50.8×40.6cm)。半世紀を隔てた同じ通りが並びで示される。
Gozuの作品は、東京国立近代美術館、パリのポンピドゥー・センター、ニューオーリンズ美術館、東京都写真美術館などに収蔵されている。個展は東京国立近代美術館、豊科近代美術館、パリのギャルリー・ポンなどで開かれてきた。1985年に第10回伊奈信男賞、1990年にパリの「写真月間90」で審査員特別賞を受けている。企画はアソシエイト・キュレーターのジョディ・グラフ。
関連プログラムとして、11月7日にはオープンハウスと、展覧会に関連したワークショップ「Looking Out / Looking In」が行われる。入場は無料。開館は12時から18時(開館日は公式サイトの案内に従う)。
- 見どころ
- 「Windows」シリーズ:テネメントの窓越しに人々を撮った1970年代以降の作品
- 「Harry's Bar」シリーズの代表作
- チャイナタウン、モット・ストリートの1972年と2025年の対になった写真
- 米国の美術館で初めてとなるGozuの個展







