展覧会 · MoMA PS1 · Long Island City
テレサ・マルゴージェス、MoMA PS1で米国初の大規模美術館展
メキシコの作家テレサ・マルゴージェスの米国初となる大規模美術館展が、ロングアイランドシティのMoMA PS1で開催中。14トンの瓦礫による《La promesa》を中心に、部屋規模のインスタレーションと新作を展示する。入場無料、2027年2月8日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16
ロングアイランドシティのMoMA PS1で、メキシコ出身の作家テレサ・マルゴージェス(1963年生まれ)の個展「En el lugar de los hechos(At the Scene)」が開かれている。米国で初めての大規模な美術館個展で、会期は2027年2月8日まで。MoMA PS1とニューヨーク近代美術館(MoMA)の共同企画にあたる。
マルゴージェスは法医学の病理医としての訓練と、写真家としての訓練の両方を受けた作家だ。その経験をもとに、国境を越えて広がる暴力、とりわけ米国とメキシコの国境地帯で起きていることを作品の主題としてきた。失踪、フェミサイド(女性であることを理由とする殺害)、政治的な強制移動、社会の放置といった問題を、丹念なリサーチや場所に応答する介入、そして記念碑のあり方そのものを問い直す手法で扱う。
展示は、部屋ほどの規模をもつ複数のインスタレーションと新たな委嘱作品で構成される。中心となるのは2012年の《La promesa(約束)》で、メキシコ北部シウダー・フアレスで一家が去った後に放置された住宅を作家自身が解体し、そこから出た14トンの瓦礫で築いた巨大な壁状の作品である。会場には、2017年の《La grand América》、2014年の《La búsqueda (1)(捜索[1])》、2026年の《Vestigios de la ira(怒りの痕跡)》なども並ぶ。《La promesa》は毎日午後3時に「アクティベート」される。
作品は、暴力が日常のなかに入り込み、喪失の感覚として現れる様子を具体的な物質を通して見せる。ニューヨークでこの規模の紹介がなされるのは初めてで、同じ時期にMoMA本館でも関連展「Aproximación al lugar de los hechos(Approaching the Scene)」が開催されている。あわせて見ると理解が深まるだろう。
企画はMoMAのアナ・ヤネフスキとイネス・カツェンシュタインが共同で担当し、クロエ・コートニー、ジュリア・デッチョンが加わった。支援はMoMAのコンテンポラリー・アーツ・カウンシル。MoMA PS1は入場無料で、開館は12時から18時(取材日の案内による)。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 9月24日 – 2月8日
- 作家
- Teresa Margolles
- 会場
- MoMA PS1
22-25 Jackson Avenue, Long Island City, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 12時〜18時(《La promesa》は毎日15時にアクティベート)
- 入場
- Free admission for all
- 見どころ
- 《La promesa》(2012):シウダー・フアレスの廃屋から出た14トンの瓦礫による壁状の作品。毎日午後3時にアクティベート
- 新作《Vestigios de la ira》(2026)を含む、部屋規模のインスタレーション群
- MoMA本館の関連展「Aproximación al lugar de los hechos」もあわせて鑑賞可能


