展覧会 · The Noguchi Museum · Long Island City
イサム・ノグチ「AKARI」75周年展、ノグチ・ミュージアムで開催
ロングアイランドシティのノグチ・ミュージアムで、イサム・ノグチの光の彫刻「AKARI」誕生75周年を記念する展覧会が11月4日に開幕。石や金属、陶の彫刻と並べ、住空間から大規模な展示まで多様な見せ方をたどる。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

ニューヨーク・ロングアイランドシティのノグチ・ミュージアムで、2026年11月4日から2027年9月5日まで「No Ordinary Light: Akari at 75」が開かれる。イサム・ノグチが手がけた光の彫刻「AKARI(あかり)」の誕生から75年を記念する企画だ。
AKARIの始まりは1951年。ノグチは岐阜を訪れ、伝統的な提灯の可能性を考え直すきっかけを得た。竹と和紙でつくる折りたたみ式の手仕事の構造はそのままに、独自の形の笠、電球、現代的なワイヤの脚を組み合わせた新しい照明を生み出した。以後およそ30年で、種類は200を超える。名前の「あかり」は「光」を意味する日本語で、ノグチにとっては照らすことと重さのなさの両方を連想させる言葉だった。彼は「AKARIはただの照明ではない」と語り、一つひとつを「光の彫刻」と位置づけていた。人の暮らしや置かれる環境との関係のなかで生きるものだという考え方である。
展覧会は、ノグチがキャリアを通じてAKARIをどのような場で見せてきたかをたどる。石、金属、陶による彫刻と同じ空間に置き、親密な住まいの室内から大規模なインスタレーションまで、さまざまな設定で紹介する。展示構成のヒントになっているのは歴史的な発表の場だ。1951年、ロサンゼルス近郊パシフィック・パリセーズのイームズ邸で行われた茶会でのお披露目と、1986年ヴェネチア・ビエンナーレでの個展がその代表である。
資料写真には、1952年の北鎌倉のアトリエ、紙の型紙に向かうノグチ、1978年ごろに岐阜の尾関でAKARIづくりに携わる職人たちと並ぶ姿などがある。また1985年に東京・有楽町の西武美術館内アートフォーラムで開かれた「あかりと石の空間」の展示風景も紹介される。作品としては、1952年の笠間焼の《Tripod Vase》(金継ぎ)、1982〜83年の溶融亜鉛メッキ鋼《Atomic Haystack》、1984年の安山岩《Personage I(人間 I)》などが関連して登場する。
担当は同館キュレーターのケイト・ウィーナーと、キュレーター兼リサーチ・ディレクターのマシュー・カーシュ。日本の技と素材から生まれた照明が、使われ、出会われ、場所ごとに意味を更新していく存在であることを、彫刻と並べて確かめられる機会になる。
- 状況
- これから
- 会期
- 11月4日 – 9月5日
- 作家
- Isamu Noguchi
- 会場
- The Noguchi Museum
9-01 33rd Road, Long Island City, NY
Google マップで開く - 見どころ
- 1951年のイームズ邸での茶会と1986年ヴェネチア・ビエンナーレの展示に着想を得た構成
- 石・金属・陶の彫刻とAKARIを同じ空間で見せる
- 《Tripod Vase》《Atomic Haystack》《Personage I》など関連作品
- 北鎌倉のアトリエや岐阜の職人との制作風景を収めた資料写真




