展覧会 · International Center of Photography · Lower East Side
ICP「GFXチャレンジ・グラント」5年5プロジェクト展、ロウアー・イースト・サイドで開催
国際写真センター(ICP)で10月19日まで、富士フイルムGFXチャレンジ・グラントの第1〜5回から1作ずつを紹介する無料展。神戸出身のシナ・ペンら5人の長期プロジェクトを大判デジタルカメラの写真で見せる。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

富士フイルムが運営するGFXチャレンジ・グラント・プログラムは、毎年世界の写真家から野心的な企画を選び、助成金、富士フイルムの技術者による助言、そして同社の大判デジタルカメラ「GFXシステム」の使用機会を提供する。受賞者は自分の条件で長期の撮影に取り組める。ICPのキュレーターチームは、この展覧会のために第1回から第5回までの各年度から1プロジェクトを選んだ。
出展作家は、2021年のロドリゴ・イジェスカス、2022年のケイティ・オルリンスキー、2023年のシナ・ペン、2024年のレイニス・ホフマニス、2025年のリーアン・オルワージュの5人。大陸も主題も異なるが、入念に構想された長期プロジェクトであり、大判の精緻な描写が物語に仕えているという点で共通している。
日本の読者に注目してほしいのが、1998年神戸生まれのシナ・ペンの「Furusato(ふるさと)」だ。中国内戦期に台湾へ渡った祖父は、母と音信が途絶えたまま、1988年に40年ぶりに故郷の湖南省臨湘へ戻った。曽祖母はすでに亡くなっていた。祖父の死をきっかけに、自分が避けてきた中国というルーツと向き合い、家族四世代をつなぐ試みとして撮影された。出品作には「昼飯と白酒」(2023年)がある。
ほかの4件も多様だ。イジェスカスの「The Cathedrals of Nostalgia」は、アルゼンチンで鉄道路線の廃止により忘れられた町と、そこに残る住民を捉える。オルリンスキーの「The Last Reindeer」は、カナダ唯一のトナカイの群れを2021年に引き継いだイヌヴィアルイト居住地域の取り組みと、激減する北極圏のカリブーを追う。ホフマニスの「Shared Horizon」は、ラトビア東部の国境が柵や監視塔で固められていく現状と、その土地に重なる記憶や家族の歴史を扱う。オルワージュの「Weaving Stars and Palm Leaves」は、モロッコのアトラス山脈でアマジグ(ベルベル)の女性たちが母から娘へ受け継ぐ織物と、自然素材・染料に根ざした知恵を記録する。
会場は79 Essex Street(正面入口は84 Ludlow Street)のICP地上階。入場無料で、会期は10月15日から19日までの5日間。富士フイルムが主催する「FUJIKINA NYC 2026」の一環として開かれる。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 10月15日 – 10月19日
- 作家
- Rodrigo Illescas, Katie Orlinsky, Shina Peng, Reinis Hofmanis, Lee-Ann Olwage
- 会場
- International Center of Photography
79 Essex Street, New York, NY
Google マップで開く - 入場
- Free
- 見どころ
- 神戸生まれのシナ・ペン「Furusato」:祖父の故郷・湖南への帰還と家族史
- ケイティ・オルリンスキー「The Last Reindeer」:カナダ最後のトナカイの群れ
- レイニス・ホフマニス「Shared Horizon」:ラトビア東部国境の変貌
- 入場無料、会期は10月15〜19日の5日間のみ





