展覧会 · Ippodo Gallery · Tribeca
根本聡・中澤恒夫・山村慎哉、イッポドウ・ギャラリーで「Leaves of Words」展
TriBeCaのイッポドウ・ギャラリーで10月30日から12月5日まで、仮名を主題にした3人展。書の根本聡、鉄の中澤恒夫、螺鈿漆工の山村慎哉が、墨・鉄・漆で一つの文字を追う。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

TriBeCaのイッポドウ・ギャラリーは、2026年10月30日から12月5日まで「Leaves of Words」を開催する。主題は平安時代に生まれた仮名。書家の根本聡、鉄の造形家・中澤恒夫、漆工の山村慎哉が、墨、鍛鉄、螺鈿という異なる素材で同じ文字に向き合う。
展覧会名は、紀貫之が『古今和歌集』の仮名序に記した「やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける」に由来する。九世紀に漢字から生まれた仮名は、和歌や恋文の文字として宮廷で育ち、今も日本の日常の文字である。ギャラリーは、読めない人にとっても仮名は壁ではなく入口になりうると位置づけている。
根本聡(1984年生)は、平安期の技法を受け継ぐ筆と希少な和紙を使う書家。新作「Flow」シリーズ12点は白、茶、青の色調で、大きさもさまざまだ。自作の和歌2首をもとにしており、一首は雨の糸で織られて咲く花の色と、染まる心が紡ぐ言の葉を詠む。越前和紙に墨の濃淡を重ねた作品や、料紙に貝殻由来の白い顔料・胡粉で書いた作品がある。寄稿エッセイでは《藤棚》《萌芽》《柳浪》の3点が取り上げられている。
中澤恒夫(1973年生)は、月と幽玄を主題とする古典和歌に取材し、鉄で9点を制作した。西行、藤原家隆、藤原良経、大江千里らの歌が対象で、『古今和歌集』『新古今和歌集』『新勅撰和歌集』に収められた作品を含む。根本が書いた手本をもとに、筆の中心にある「命毛」が生む途切れない線を、鉄を打ち鍛えて表した。彫刻の仮名は壁に影を落とす。
山村慎哉(1960年生)は、アワビやカキなどの貝の内側の輝きを手で切り出し、仮名の形に整えて蓋物にはめ込んだ。茶器や香合にあたる作品群で、漆に貝をはめ込む螺鈿の古い技法を現代に引き寄せる。金沢美術工芸大学の学長でもある。
10月30日は午後6時から8時までオープニングレセプションがあり、翌31日には根本と中澤によるアーティストトークが予定されている。根本の書については、元イェール大学美術館アジア美術部のサダコ・オオキ博士が寄せたエッセイが添えられる。
- 状況
- これから
- 会期
- 10月30日 – 12月5日
- 作家
- Satoshi Nemoto, Tsuneo Nakazawa, Shinya Yamamura
- 会場
- Ippodo Gallery
35 North Moore Street, New York, NY
Google マップで開く - 見どころ
- 根本聡の新作「Flow」シリーズ12点(越前和紙の墨書と胡粉の作品)
- 中澤恒夫の鍛鉄による和歌9点、壁に落ちる仮名の影
- 山村慎哉の螺鈿の蓋物(茶器・香合)に仮名を象嵌
- 10月30日18〜20時オープニング、31日に根本・中澤のトーク





