展覧会 · David Zwirner · Chelsea
奈良美智、デイヴィッド・ツヴィルナーで初個展 チェルシー2会場
奈良美智がデイヴィッド・ツヴィルナーで初の個展を開催。チェルシーの20丁目と19丁目の2会場に、2026年の新作絵画、ドローイング、1980年代の初期作、2024年の彫刻13点が並ぶ。会期は11月5日から12月12日。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

奈良美智(1959年生まれ)が、チェルシーのデイヴィッド・ツヴィルナーで個展を開く。同ギャラリーでは初の個展で、ニューヨークで大規模な個展が開かれるのは約10年ぶりとなる。会場は西20丁目537番地と西19丁目533番地の2か所。新作の絵画とドローイング、近年の彫刻、作家自身が選んだ初期作品で構成される。
奈良は1980年代半ばから制作を続けてきた。日本北部の田舎で過ごした孤独な幼少期が、感性の土台にある。自然、民話、童話との出会い、そして自作のラジオで知ったポピュラー音楽が創作の源だという。大きな頭と大きな目をもつ人物像は、作家自身にとっては自画像にあたる。1990年代に登場した当時は、パンクやロックに通じる直接的な感情の表現と受け止められた。いまでは多くの人が自分の気持ちや脆さを重ねて見る存在になり、世界的な広がりと若い世代への影響を生んでいる。
20丁目の会場には、1980年代の初期作と2026年の絵画が並ぶ。完成したばかりのキャンバス作品は、正面を向き、こちらをまっすぐ見つめる肖像だ。この1年で色彩はいっそう抑えた繊細なものになり、にじむような筆致が画面に奥行きと空気感をもたらしている。別のシリーズでは、まず色鉛筆で構図の骨格を描き、その上に透明なアクリルを薄く重ねる新しい手法をとる。人物は自然なポーズで、涙をたたえた目が不安げな気配を伝える。さらに、工業用の油性ペイントスティックによる大判のモノクロドローイングも出品され、線の強さが際立つ。奈良が「ライン」の絵画と呼ぶ作品では、ノートに描いた大胆なスケッチをプロジェクターで拡大し、絵具で描き起こしている。
19丁目の会場では、2024年制作の彫刻13点を展示する。手のひらサイズの粘土の原型を10倍に拡大したブロンズの頭部で、白いウレタン塗料で仕上げられ、マットな表面が柔らかさを感じさせる。大雪が作る雪の「お化け」を思わせる姿は、奈良が子どもの頃の冬に見たものに通じる。小さな手びねりの頭を巨大なスケールで体験したときの心理的な効果に、作家は関心を寄せてきた。素朴な表情と、滑らかな面に落ちる光と影が、静けさと思索を促す。
会期中の11月5日(木)18時から20時にオープニングレセプションが開かれる。入場無料で、RSVPは推奨されるが必須ではない。この展覧会は、ワシントンDCのハーシュホーン美術館彫刻庭園で始まる「Sentinels of Stillness」(2026年10月31日から2027年11月7日)と同時期に行われる。こちらでは、粘土の小さな頭部を16倍に拡大した3点の巨大彫刻が展示される。
- 状況
- これから
- 会期
- 11月5日 – 12月12日
- 作家
- Yoshitomo Nara
- 会場
- David Zwirner
537 West 20th Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 火〜土 10:00〜18:00
- 入場
- Free
- 見どころ
- 2026年制作の新作絵画:正面向きの肖像と、色鉛筆の下描きに透明アクリルを重ねる新技法の作品
- 油性ペイントスティックによる大判モノクロドローイングと、スケッチを拡大した「ライン」絵画
- 19丁目会場に並ぶ、2024年制作の10倍拡大ブロンズ頭部13点(白いウレタン塗装)
- 11月5日18〜20時のオープニングレセプション(無料)




