展覧会 · Lévy Gorvy Dayan · Upper East Side
ベーコンとデ・クーニング、NYアッパーイーストで初の二人展
NYアッパーイーストのレヴィ・ゴーヴィ・デイアンで11月4日から、フランシス・ベーコンとウィレム・デ・クーニングを初めて並べる展覧会。1960年代末から70年代の小ぶりな絵画に絞って紹介する。
文・NBT編集部 · 2026-10-19
アッパーイーストサイドのギャラリー、レヴィ・ゴーヴィ・デイアン(Lévy Gorvy Dayan)が、11月4日から12月19日まで「Bacon / de Kooning」を開く。ロンドン派を代表するフランシス・ベーコンと、ニューヨーク派の中心にいたウィレム・デ・クーニングを正面から並べる展覧会で、両者を同じ空間で対話させるのは初めてとなる。会場は1932年築のボザール様式のタウンハウスで、展示は2階。
焦点を当てるのは、1960年代末から70年代にかけての比較的小さな絵画だ。デ・クーニングは主に60×55インチ(約152×140cm)、ベーコンは好んだ14×12インチ(約36×30cm)の画面を使った。どちらも作家自身が「人間的な寸法」として選んだ判型で、感情の力を一点に絞り込み、筆づかいと技巧を見せるのに向いていた。小さな画面は鑑賞者にも近い距離での注視を求める。
二人は1975年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でのベーコン回顧展の際に顔を合わせ、その場面は有名な写真に残っている。それ以前にも面識があり、互いの作品を知っていた。ただ、ベーコンは実存的な具象の旗手、デ・クーニングは身振り的な抽象表現主義の先駆者と、長く対極に置かれてきた。本展は、人間のありようを表す主要な手段として絵具に向き合った点での共通性を示そうとする。
第二次世界大戦やホロコースト、原爆の後、多くの同時代作家が人物像を手放すなかで、二人は人間の条件をどう描くかという問いに取り組んだ。ベーコンは抽象を批判し、ポロックの作品を「古いレース」と呼んだ一方、自らの具象は制御された歪みであり、肉体を傷ついた肉として描いた。デ・クーニングは人物を通して抽象に至り、肉が風景へと変わっていく。ベーコンも、絵具を機能させられる数少ない画家としてデ・クーニングを認めていた。
70年代のデ・クーニングは自信に満ちた制作期にあり、本人は「外しようがなかった」と振り返っている。同じ頃のベーコンも円熟期を迎え、顔だけで全身像に匹敵する存在感を持つ小品を重ねた。モデルは親しい友人や恋人、そして自画像で、多くは写真と記憶をもとに描かれた。肖像を二連画や三連画にすることも多かった。本展にはベーコン自身、ジョージ・ダイアー、ヘンリエッタ・モライスらを描いた単独の作品と三連画が含まれる。出品は個人コレクターの協力による。
- 見どころ
- ベーコンの14×12インチの小品と、デ・クーニングの約60×55インチの絵画を並置
- ベーコン自身、ジョージ・ダイアー、ヘンリエッタ・モライスを描いた単独作と三連画
- 1975年メトロポリタン美術館でのベーコン回顧展で二人が会った場面に連なる企画
- 1932年築ボザール様式のタウンハウス2階での展示






