展覧会 · Lévy Gorvy Dayan · Upper East Side
インマ・バレロ、レヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで初個展「MOTHERS」
スペイン生まれのインマ・バレロが、アッパー・イースト・サイドのレヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで初個展。ビーズ状の陶片を何百も連ねた高さ2メートル級の彫刻8点を発表する。会期は10月17日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

スペイン出身で現在ニューヨーク在住のアーティスト、インマ・バレロが、アッパー・イースト・サイドのギャラリー、レヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで個展「MOTHERS」を開いている。同ギャラリーでは初の個展で、会期は10月17日まで。会場は19 East 64th Streetの5階だ。
バレロは1969年、スペインのアルメンドラレホ生まれ。彫刻、インスタレーション、サウンドアートを手がけ、軸足は陶芸の伝統に置いている。陶芸の道に入った2000年代初頭は、自身が母になった時期と重なる。女性性、母性、共同体、そして「つくること」と「繕うこと」が、一貫した主題だ。近年はギリシャ・スキアトス島の修道院(2026年)、京都国際写真祭KYOTOGRAPHIE(2023年、2025年)、ニューヨークのセルバンテス文化センター(2023年)などで作品を発表してきた。作品はニューヨークのヒスパニック・ソサエティ美術館・図書館や米州開発銀行にも収蔵されている。
今回の展示では、すべて初公開となる大型彫刻8点が並ぶ。先史時代、古代、近代と、世界各地の文化に見られる異なる母の姿を、それぞれ一体に込めた作品群だ。作家はこれを、互いに応え合い、見守り合う母たちの「合唱」にたとえている。
制作の基本単位は、手でつくる陶のビーズである。数百個をつなげて一体の彫刻に仕立てる。着想源は、祖母のロザリオの記憶、ギリシャのコンボロイ(数珠)、そして京都に滞在した際に出会った仏教の数珠などだ。素材は磁器、土器、テラコッタを組み合わせ、日本、メキシコ、スペインの土も使う。異なる土地の土を「母」の姿のなかで一つにするという考えである。ビーズは金属ワイヤーで編むようにつなぐ。この手法は、金属の留め具で陶器を直すスペインの「ラニャード」と、漆と金粉などで継ぐ日本の金継ぎという二つの修復技法への敬意でもある。
下絵は描かず、形が積み重なるなかで名前があとから決まるという。三角形の構成が聖母マリアを思わせる《Pachamama》、横たわる姿がオダリスクの系譜を想起させる《Tellus》、発掘された像のように床から立ち上がる《Ataecina》などがある。他に《Genetrix》《Melaina》《Melissae》《Hariti》《Isis》が出品されている。高さは約1.8メートルから2.7メートルで、制作年はいずれも2023〜26年。
会場では、バレロがヤニック・パジェ、谷村由美子と共作したサウンド作品《The Mothers' Voice》(2026年)も流れる。陶のビーズが触れ合う音に、谷村の声と海の情景が重なる。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 9月17日 – 10月17日
- 作家
- Inma Barrero
- 会場
- Lévy Gorvy Dayan
19 East 64th Street, New York, NY
Google マップで開く - 見どころ
- 三角形の構成で聖母マリアを想起させる《Pachamama》(約2.4m)
- 横たわる姿の《Tellus》と、発掘された像のように床から立ち上がる《Ataecina》
- 日本・メキシコ・スペインの土と、金継ぎにも通じる金属ワイヤーによる制作
- ビーズの音と谷村由美子の声を重ねたサウンド作品《The Mothers' Voice》




