展覧会 · Lévy Gorvy Dayan · Upper East Side
ピエール・スーラージュ、レヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで紙の作品展
「黒と光の画家」ピエール・スーラージュの紙作品20点以上を、アッパー・イースト・サイドのレヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで公開。大半が未発表で、くるみ染料、グワッシュ、インクによる1963〜2004年の作品が並ぶ。10月24日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

フランスの画家ピエール・スーラージュ(1919〜2022)の紙の作品に焦点を当てた展覧会が、アッパー・イースト・サイドのギャラリー、レヴィ・ゴーヴィ・ダヤンの2階で開かれている。会期は10月24日まで。出品は20点を超え、その大半がこれまで一度も公開されたことがない。作家の未亡人コレット・スーラージュの協力のもとで実現した。ギャラリーのドミニク・レヴィが作家とその遺産管理団体と長く築いてきた関係のなかで、スーラージュの個展としては6回目にあたる。
スーラージュは「黒と光の画家」として知られる。戦後は黒を中心に制作し、1979年からは「黒の彼方」を意味するシリーズ「アウトルノワール」に取り組み、亡くなるまで続けた。削ったり滑らかに均したりしたタールのような画面は、絵画の空間と時間のあり方を変えたと評される。2019年には生誕100年を記念してルーヴル美術館が回顧展を開き、存命作家として同館で個展が開かれたのはピカソ、シャガールに続く3人目だった。1992年には日本美術協会の高松宮殿下記念世界文化賞にあたる絵画部門の賞(Praemium Imperiale)も受けている。
今回の主役は紙である。紙は1940年代半ばから彼の最初の支持体であり、1947年にはくるみの染料(ブルー・ド・ノワ)と刷毛で描いた抽象作品で、のちの歩みを決める発見をした。本来は木材の染色に使われる日用の素材で、粉の濃さを変えれば茶から黒まで色を操れ、紙に染み込むことで透明と不透明が重なる効果が生まれる。油彩に窮屈さを感じていた画家は、苛立ちのなかでこの染料に手を伸ばしたと語っている。
紙の作品はキャンバスの下絵ではなく、独立した領域だった。ストレッチャーの用意を待つ必要がなく、液状の絵具が紙に吸われるため修正もきかない。速い判断が求められるこの条件を、彼は好んだという。のちにインクやグワッシュも用い、紙の白そのものを構図の要素として扱った。スクレーパーや刃、スポンジなど自作の道具も使い、2004年まで光の探求を紙の上で進めた。
出品作は1963年のインク作品から2004年のくるみ染料の作品まで。1977〜78年のグワッシュ、1999〜2000年のグワッシュと鉛筆の作品も含まれ、多くは縦約75センチまたは約108センチの大きさだ。紙の作品は近年研究が進み、2014年にロデーズのスーラージュ美術館へ100点超が寄贈され、2025〜26年にはパリのリュクサンブール美術館で大規模展が開かれた。紙作品のカタログ・レゾネも準備されている。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 9月17日 – 10月24日
- 作家
- Pierre Soulages
- 会場
- Lévy Gorvy Dayan
19 East 64th Street, New York, NY
Google マップで開く - 見どころ
- 20点超の紙作品、大半が初公開
- くるみ染料(ブルー・ド・ノワ)、グワッシュ、インクによる1963〜2004年の作品
- 紙の白を構図の要素として使った、光の探求
- 作家の未亡人コレット・スーラージュとの協力による展示




