展覧会 · Lévy Gorvy Dayan · Upper East Side

ワンガリ・マテンゲ「Re-membering」展、レヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで開催

ケニア出身の画家ワンガリ・マテンゲが、アッパー・イースト・サイドのレヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで同ギャラリー初の個展を開催。新作絵画5点と初公開の彫刻2点で、記憶と文化の再構築を探る。会期は10月24日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

ワンガリ・マテンゲ「Re-membering」展、レヴィ・ゴーヴィ・ダヤンで開催
Lévy Gorvy Dayan

ケニアのナイロビに1973年に生まれたワンガリ・マテンゲは、幼い頃に家族とロンドンへ移り、のちにワシントンDCで法律を学んで米国で弁護士として働いた経歴を持つ画家だ。その後絵画の道に進み、シカゴ美術館附属美術大学(SAIC)で絵画・ドローイングの修士号を取得した。現在はナイロビとイングランドのバッキンガムシャーを拠点にしている。作品は家庭の室内に人物や集団を描き、個人的な意味を帯びた物や文化の目印となる物を丹念に配することで、共同体や帰属、ディアスポラの経験を語る。近年はデューク大学ナッシャー美術館、バーゼル美術館、ダラス美術館、ロサンゼルス郡立美術館などの展覧会に参加し、ハーシュホーン美術館やデトロイト美術館などにも収蔵されている。\n\n本展「Re-membering」は、ギャラリーでの初個展であり、彫刻を公に発表する初の機会でもある。タイトルは2024年秋に始めた同名シリーズに由来する。着想源はグギ・ワ・ジオンゴの2009年の著書『Something Torn and New』で、植民地主義と奴隷制がアフリカ人に与えた影響と、そこからの抵抗や回復の道筋を論じた一冊だ。マテンゲは1900年から独立の1963年までのケニア植民地期の文学や文化的な物品を調べ、歴史と自身の文化的アイデンティティがどう形づくられたかを問い直した。その成果が2025年の第一期の画面で、本や物、織物に囲まれて思索する一人の人物を、俯瞰の色鮮やかな構図で描いている。\n\n今回出品される新作絵画は、その探究を「行為」の段階へ進めるものだ。作家自身の分身である女性たちが、1960年代を思わせる色彩豊かな家庭空間で、周囲の物や場を動かし、作り変え、組み直していく。この時代はアフリカで多くの国が独立を果たし、文化の潮流が変わった10年でもある。出品作には《Re-membering XII (The Wednesday Women's Club)》(2026年、約183×228.5cm)や《Re-membering XI (To Leave This Steady Unendurable Land)》(2026年、約160cm四方)などがあり、いずれもキャンバスに油彩で描かれている。\n\n彫刻は2点。《Re-membering VIII (Before Us, After Us, Ever Changing)》(2025–26年)は、マリンディの職人が手彫りした木製の扉枠に、緻密なマクラメの織物を吊るした作品だ。東アフリカ沿岸、とりわけ現存する最古のスワヒリ集落ラム旧市街の19世紀の彫刻扉に着想を得ており、歴史に出会い、受け継ぐための敷居として立ち上がる。《Re-membering IX (The Shape of Inheritance)》(2025–26年)は、ドレスフォームに着せた編み物の大作で、ギクユ人の伝統衣装の記憶と、ヴィクトリア朝のバスルやトレーンといった植民地期の影響を重ねている。編み作業には家族や周囲の人々が加わり、記憶を共同の制作として作り直す試みになっている。\n\n会場は、アッパー・イースト・サイド、イースト64丁目19番地の1階。会期は2026年9月17日から10月24日まで。

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状況
まもなく終了
会期
9月17日 – 10月24日
作家
Wangari Mathenge
会場
Lévy Gorvy Dayan
19 East 64th Street, New York, NY
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見どころ
  • 新作絵画5点を初公開。1960年代の家庭空間で女性たちが物や場を作り変える
  • 彫刻《Re-membering VIII》:マリンディの職人が手彫りした扉枠にマクラメの織物を吊るす
  • 彫刻《Re-membering IX》:ギクユの伝統衣装の記憶とヴィクトリア朝の装いを重ねた編み物のドレス
  • マテンゲにとって初の彫刻の公開展示