展覧会 · Joan B. Mirviss · Upper East Side
田中悠、ジョーン・B・ミルヴィス・ギャラリーで布を模した陶彫の個展
京都を拠点とする1989年生まれの陶造形作家・田中悠の個展が、アッパー・イースト・サイドのジョーン・B・ミルヴィスで11月5日から12月18日まで開催。風呂敷のような布で包まれた器を思わせる土の彫刻を紹介する。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

京都を拠点に活動する田中悠(1989年生まれ)は、粘土による彫刻だけに取り組む作家です。ニューヨークの日本陶芸専門ギャラリー、ジョーン・B・ミルヴィスで、11月5日から12月18日まで個展「Exploring the Unseen: The Sculptures of Tanaka Yū」が開かれます。
田中の作品は、一見すると日本の包み布で器や箱を包んだように見えます。しかし実際には、すべて土でできた騙し絵(トロンプ・ルイユ)の彫刻です。出発点になっているのは、綿の布が持つやわらかさや質感、しなやかさ。伝統的な染めで色をつけた布という身近な素材を、粘土で写し取っています。包みの中に何が入っているのかという問いが、作品の核にあります。
制作の手法も興味深いものです。板を貼り合わせて作ったように見えますが、実際には信楽の調合土を用い、紐状の粘土を積み上げる「ひも作り」で成形しています。可塑性の高さが理由だといいます。表面はスポンジで滑らかに整え、化粧土を薄く何層も重ねます。塗りには筆とエアブラシを使います。
作家は、かつての前衛陶芸集団・走泥社に着想を得ています。空間や空気を内包する形を目指し、器の機能とは何かを問い直す姿勢がその系譜に連なります。ターメリックを思わせる黄色の作品が特徴的で、すでに欧米の複数の主要美術館に収蔵されており、近年は美術館展のビジュアルにも取り上げられてきました。
会場はアッパー・イースト・サイドの39 East 78th Street、Suite 401です。開廊は月曜から金曜の11時〜18時で、予約による来廊もできます。日本の現代陶芸の新しい世代の表現を、ニューヨークで間近に見られる機会です。
- 状況
- これから
- 会期
- 11月5日 – 12月18日
- 作家
- Tanaka Yū (田中 悠)
- 会場
- Joan B. Mirviss
39 East 78th Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 月〜金 11:00〜18:00、予約制での来廊も可
- 見どころ
- 風呂敷のような布で包まれた器を模した、騙し絵の陶彫
- 信楽の調合土によるひも作りと、化粧土の薄塗りによる仕上げ
- ターメリックを思わせる黄色の作品
- 走泥社に着想を得た、空間と空気を内包する造形





