展覧会 · The Studio Museum in Harlem · Central Harlem

スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム「Tone」展、白と黒の階調を探る

ハーレムのスタジオ・ミュージアムで、2027年1月3日まで「Tone」展を開催。デカラヴァ、ケリー・ジェームズ・マーシャル、ローナ・シンプソンら19組が、写真・絵画・彫刻・ドローイングで階調という表現を探ります。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム「Tone」展、白と黒の階調を探る
Tone (installation view), 2026. Photo: Kris Graves — The Studio Museum in Harlem

ハーレムの中心、西125丁目144番地にあるスタジオ・ミュージアム・イン・ハーレムで、グループ展「Tone(トーン)」が2027年1月3日まで開かれています。テーマは「階調」。黒と白、そしてその間に広がるあらゆる明度の差が、単なる技術的な条件にとどまらず、独自の表現言語として働くことを示す展覧会です。

出発点として語られるのは、現存最古の写真とされるニセフォール・ニエプスの《ル・グラの窓からの眺め》(1826/27年)です。この作品は線ではなく、光がゆっくり積み重なってできる階調によって世界の形を立ち上げています。もうひとつの手がかりが、ロイ・デカラヴァの《Window, Pot, and Stove》(1951年)。階調が形を描くだけでなく、光と影の連なりによって画面のリズムを生むことを示す例として挙げられています。白黒写真の実践とは、コントラストを圧縮したり広げたりしながら、微妙な諧調を残し、影とハイライトに等しい表現の重みを持たせることを理解することだといいます。

出品作家は19組です。ジュールズ・アレン、作者不詳の作品、パット・デイヴィス、ロイ・デカラヴァ、トゥアミ・エナドル、グレン・ライゴン、ケリー・ジェームズ・マーシャル、ジャンヌ・ムトゥサミー=アッシュ、ザネレ・ムホリ、クリス・オフィリ、ゴードン・パークス、エル・ペレス、ゲイリー・シモンズ、ローナ・シンプソン、ミン・スミス、ポール・アンソニー・スミス、シフォン・トーマス、ラリー・ウォーカー、リネット・ヤディオム=ボアキエ。写真が中心ではありますが、すべてが写真というわけではなく、ドローイング、絵画、写真、彫刻と媒体は多岐にわたります。共通するのは、階調によって作品を組み立てるという姿勢です。

企画を担当したのは、前アシスタント・キュレーターのジェイソン・オーヴァビー・ジュニア。支援はチャリナ基金、アリス・L・ウォルトン財団の展覧会基金のほか、ニューヨーク市文化局、ニューヨーク州芸術評議会が行っています。

スタジオ・ミュージアムはアフリカ系のアーティストを軸に活動する美術館で、ハーレム散策の目的地としても知られます。写真と絵画、彫刻を同じ「階調」という視点で見比べられる機会として、ブラック・アートの系譜に関心のある方にも手がかりの多い展示です。

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状況
開催中
会期
〜1月3日
作家
Jules Allen, Unidentified Artist, Pat Davis, Roy DeCarava, Touhami Ennadre, Glenn Ligon, Kerry James Marshall, Jeanne Moutoussamy-Ashe, Zanele Muholi, Chris Ofili, Gordon Parks, Elle Pérez, Gary Simmons, Lorna Simpson, Ming Smith, Paul Anthony Smith, Chiffon Thomas, Larry Walker, Lynette Yiadom-Boakye
会場
The Studio Museum in Harlem
144 West 125th Street, New York, NY
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見どころ
  • ロイ・デカラヴァ《Window, Pot, and Stove》(1951年)の光と影のリズム
  • ニエプスの現存最古の写真を起点に、階調で形をつくる考え方をたどる
  • ドローイング、絵画、写真、彫刻と、媒体を横断する19組の出品作家