展覧会 · Friedman Benda · Chelsea

ウェンデル・キャッスル「Living」展、フリードマン・ベンダで開催

チェルシーのフリードマン・ベンダで、アメリカ・スタジオ家具の父ウェンデル・キャッスルと陶芸家ナンシー・ジャーズの1970年代の自邸を、家具と陶器で再構成する展覧会。会期は10月17日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

ウェンデル・キャッスル「Living」展、フリードマン・ベンダで開催
Friedman Benda

チェルシーのギャラリー、フリードマン・ベンダで、ウェンデル・キャッスル(1932〜2018)の個展「Wendell Castle: Living」が開かれている。会期は9月17日から10月17日まで。主役は作品そのものというより、作品に囲まれた「暮らし」だ。キャッスルと、陶芸・マルチメディア作家の妻ナンシー・ジャーズ(1941年生まれ)がニューヨーク州スコッツビルで営んでいた住まいを、会場で再構成している。

きっかけは、1973年の雑誌『House Beautiful』に載った自宅の特集記事である。二人の娘で本展のキュレーターを務めるアリソン・キャッスルが、母が1980年に父の誕生祝いに作ったスクラップブックの中から、リビングルームのカラー写真を見つけた。家中のほぼすべてが、キャッスル、ジャーズ、そして彼らの芸術家仲間によるデザインや手仕事だった。仕事と生活が切り離せなかった家である。

出品作には、記事に写っていながらその後公開されてこなかった重要作が含まれ、家族から貸し出された。木や成形プラスチックによるキャッスルの彫刻的な家具(プラスチックはアメリカで家具に使われた最初期の例とされる)と、ジャーズの実用と造形を兼ねた陶器が並ぶ。台所、寝室、リビング、ダイニングを思わせる配置で日用品も置かれ、美術館では見る機会の多い作品を「使うもの」として体験できる。アリソンは、訪れる人に家具と暮らす感覚を味わってほしいと語っている。

初期の主要作は《Chaise Rocker》(1962)、《Floor Lamp》(1967)、多機能な《Environment》(1972)。後年の作品として《Caligari’s Mistress’s Desk and Chair》(1990)、《Arcadia》(2010)、《Opposites Attract》(2017)も並び、半世紀以上に及ぶ制作の流れが見渡せる。公式サイトには《Forgotten Dream》(2016、トネリコ、エディション8)も掲載されている。

キャッスルはカンザス州エンポリア生まれ。カンザス大学で工業デザインと彫刻を学び、ロチェスターに移って教えながらスタジオを構えた。1963年に積層(スタック・ラミネーション)の技法を切り開き、木の制約を超えた量感ある造形を可能にした。1964年のミラノ・トリエンナーレや、スミソニアンから巡回した「Objects USA」(1969)にも参加し、メトロポリタン美術館、MoMA、V&Aなど40以上の施設に作品が収蔵されている。「アメリカン・スタジオ・ファニチャー運動の父」と呼ばれる。

会場はウェスト26丁目515番地。ギャラリーが並ぶチェルシーで、家具と家族の記憶を同時に見られる展示である。会期は10月17日までと残りわずかだ。

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状況
まもなく終了
会期
9月17日 – 10月17日
作家
Wendell Castle, Nancy Jurs
会場
Friedman Benda
515 West 26th Street, New York, NY
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見どころ
  • 1973年の『House Beautiful』掲載の自邸を、台所・寝室・居間・食堂の設えで再現
  • 家族が貸し出した、半世紀近く公開されてこなかった木とプラスチックの家具、ジャーズの陶器
  • 《Chaise Rocker》(1962)、《Floor Lamp》(1967)、《Environment》(1972)などの初期代表作
  • 《Caligari’s Mistress’s Desk and Chair》(1990)、《Arcadia》(2010)、《Opposites Attract》(2017)の後期作