展覧会 · 303 Gallery · Chelsea

タニヤ・メリル、303ギャラリーで新作個展「Land animal, house animal」

ハドソン・ヴァレーを拠点とするタニヤ・メリルが、チェルシーの303ギャラリーで3度目の個展を開催。出産後の暮らしと身近な動植物を、油彩とグラファイトによる新作9点で描く。会期は10月24日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

タニヤ・メリル、303ギャラリーで新作個展「Land animal, house animal」
303 Gallery

チェルシーの303ギャラリーで、タニヤ・メリルの個展「Land animal, house animal」が開かれている。同ギャラリーでの3度目の個展で、すべて新作。会期は2026年10月24日までだ。

メリルはハドソン・ヴァレーにスタジオを構え、そこで目にする自然を直接観察しながら制作する画家である。作品には物語が仕立てられ、人間と自然の緊張をはらんだ関係や、文化が描いてきた性別とセクシュアリティの姿を、現代の視点から問い直す。アメリカーナへの関心も作品の底流にあり、歴史上の美術作品への参照が織り込まれる。

今回の出発点は、スタジオの窓から毎朝見えるチュウヒ(マーシュ・ホーク)と、今年6月に生まれた娘の存在だ。赤ちゃんが生まれると、家の中に床板の隙間のような「あいだの場所」が開き、家族はそこに落ち込んで、しばらく暮らす。やがて赤ちゃんが新しいものを求めて果実に手を伸ばすころ、私たちはそこから出て、身の回りの動植物や家の中の品々を、読み解くべき象徴として眺め直す。展覧会はそうした流れを下敷きにしている。

近所の馬、日陰で首を垂れるオダマキの花、窓の外のタカといった、繰り返し登場するモチーフは、作家にとって家族のような存在だ。それらが、人物の親密な肖像と同じ空間に並ぶ。技法は、リネンの上に油彩とグラファイトを用いたもの。絵具は薄く溶かれ、スケッチブックに屋外で水彩を走らせたときの流動感と即時性を思わせる。

出品作は9点。30×24インチの「Marsh hawk」から、50×76インチの「Horse at night」、36×96インチの横長の「American Persimmon orchard (a Marriage of Dunbar and Wythe)」まで、サイズは幅広い。ほかに「Sleeping couple」「Mother and child」「A milking cow at Evelyn's dairy」「Daybed at dawn」「Waiting with Leo」、ベッドサイドのための14×11インチの小品「Ryder's ship at sea, framed for their bedside」が並ぶ。育児、パートナーシップ、家庭のかたちが、動物や植物の視点と重なり合う展示である。

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状況
まもなく終了
会期
9月10日 – 10月24日
作家
Tanya Merrill
会場
303 Gallery
555 West 21st Street, New York, NY
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見どころ
  • 「Horse at night」(50×76インチ):鞍も蹄鉄もない、夜の馬を描いた最大級の横長作品
  • 「American Persimmon orchard (a Marriage of Dunbar and Wythe)」:36×96インチの横長画面
  • 「Marsh hawk」:スタジオの窓から毎朝見えるチュウヒを描いた小品
  • 油彩とグラファイトを薄く溶いた、水彩スケッチのような筆致