展覧会 · David Zwirner · Chelsea

トーマス・ルフ「jpegs ny」、デイヴィッド・ツヴィルナー19丁目で開催

ドイツの写真家トーマス・ルフが、9.11の画像を素材にした「jpegs ny」シリーズ12点をチェルシーで展示。同時多発テロから25年の追悼として構想された展覧会で、会期は10月17日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

トーマス・ルフ「jpegs ny」、デイヴィッド・ツヴィルナー19丁目で開催
Thomas Ruff, jpeg ny02 , 2004 — David Zwirner

チェルシーのデイヴィッド・ツヴィルナー19丁目(533 West 19th Street)で、ドイツの写真家トーマス・ルフの「jpegs ny」展が開かれている。会期は2026年9月10日から10月17日まで。2001年9月11日の同時多発テロから25年に当たる今年、作家自身が追悼の意を込めて構想した展示で、世界貿易センターへの攻撃を捉えた画像をもとにした12点が並ぶ。6月のアート・バーゼル2026「アンリミテッド」部門でも、この一群が紹介された。

ルフは1958年、西ドイツのツェル・アム・ハルマースバッハ生まれ。1977年から85年までデュッセルドルフ芸術アカデミーで学び、現在もデュッセルドルフを拠点にする。ツヴィルナーの所属作家となったのは2000年からで、同ギャラリーでの個展は今回の機会を含め長い歴史がある。東京の国立近代美術館(2016年、金沢の21世紀美術館へ巡回)での個展など、日本でも作品が紹介されてきた。

「jpegs」は、インターネット上の画像を素材にするシリーズで、そのうちニューヨークに関わる一群が「jpegs ny」にあたる。ルフは9.11の当時ニューヨークにいて、事件とその後を何枚も撮影した。ところがドイツに戻ると、カメラには写真が残っていなかったという。3年後の2004年、出来事がなお頭を離れずにいた彼は、悲劇の大きさにふさわしい応答を探して、ネット上の9.11の画像を集め始めた。

デジタル処理では、画像の構造を変え、圧縮率を上げ、1センチあたりの画素数を下げ、色を加えた。こうした操作で抽象化を進め、広く流通した画像を自分の作品へと変えている。プリントは19世紀の歴史画に並ぶ大きさまで引き伸ばされ、被写体は判別できるもののはっきりぼやけ、画素の格子が筆触のような働きをする。印象派の絵画と同じく、全体像は離れて見たときに立ち上がる。ピクセルが露わな大判プリントは、ときにほとんど抽象画に見える。

このシリーズの別エディションは、ロサンゼルスのザ・ブロード、メリーランド州のグレンストーン美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、アムステルダムのステデリック美術館が所蔵している。会期中、同シリーズの関連作はニューヨーク市消防博物館でも、グラウンド・ゼロ360が企画する記念のグループ展に出品されている。11月にはパリ・フォトのグラン・パレで特別展示を行い、ロサンゼルスのデイヴィッド・ツヴィルナーでは、1990年以来となる同地での個展が開かれる予定だ。

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状況
まもなく終了
会期
9月10日 – 10月17日
作家
Thomas Ruff
会場
David Zwirner
525 West 19th Street, New York, NY
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見どころ
  • 9.11の画像をもとにした「jpegs ny」12点を展示
  • 19世紀の歴史画に並ぶ大きさの、ピクセルが露わな大判プリント
  • 近くでは抽象、離れると像が現れる「印象派的」な見え方
  • 展示作品の「jpeg ny02」(2004年)