展覧会 · Galerie Lelong · Chelsea

ミルドレッド・トンプソン、ギャルリ・ルロンで「コスモス・コーリング」展

チェルシーのギャルリ・ルロンで10月29日から、故ミルドレッド・トンプソンの大作《Music of the Spheres》と《Heliocentric Series》を紹介。惑星を題材にした絵画と電子音楽を、ニューヨークで初めて公開する。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

ミルドレッド・トンプソン、ギャルリ・ルロンで「コスモス・コーリング」展
Galerie Lelong

ミルドレッド・トンプソン(1936–2003)は、目に見えない力や次元を抽象絵画で描いたアメリカの作家です。キャリア初期の数十年はアメリカ、フランス、ドイツを行き来しながら制作の機会を探し、1986年にアトランタのスペルマン大学でアーティスト・イン・レジデンスを務めたのを機に同地に定住しました。のちにアトランタ芸術大学でも教えています。本展は、ギャルリ・ルロンでのトンプソンの3回目の個展にあたります。

中心となるのは《Music of the Spheres》(天球の音楽)の連作です。安定した環境と自宅近くの専用スタジオを得たことで可能になった大型の作品群で、それぞれが高さ約2.4メートル、幅約3.7メートルの三連画。太陽系の惑星を一つずつ主題にしており、彼女の作品の中で最大の規模です。1996年制作の《Music of the Spheres: Mercury》は油彩・ボードで、243.8×365.8cmあります。

各絵画には、トンプソン自身が作った音楽が組み合わされています。NASAのボイジャー探査機の録音に着想を得た電子音楽で、電子機器、おもちゃの楽器、拾い集めた物を使って制作されました。作家が各惑星に結びつけた感情も、絵と音の両方に反映されています。水星は対話と充足、金星は活力と美、木星は楽観と熱意、火星は情熱と激しい変化です。鑑賞者は絵画と音を通じて、太陽系を巡る感覚的な旅を体験することになります。

あわせて、《Heliocentric Series》からの絵画も並びます。マゼンタやピンクを基調に、渦を巻く卵形のかたちが連なり、コバルトブルーの帯が動きを与える抽象画です。重力と慣性のせめぎ合いによって惑星が軌道にとどまる様子が表されています。出品作には《Untitled (Heliocentric Series)》(1993–94年頃、油彩・ビニール、178.4×121.9cm)や《Crescendo III》(1988年)も含まれます。アトランタ時代の紙作品と資料も展示され、制作の背景をたどれます。

これらの絵画と電子音楽がニューヨークで公開されるのは今回が初めてです。会期中、10月30日にメディテーション・セッション、31日にパネルディスカッションが開かれます。10月29日の18時から20時にはオープニングレセプションがあります。同時期に、MoMA PS1の「Hard Art」とケルンのルートヴィヒ美術館の「Along the Color Line」でも、トンプソンの別の作品が展示されています。

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状況
これから
会期
10月29日 – 12月19日
作家
Mildred Thompson
会場
Galerie Lelong
528 West 26th Street, New York, NY
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見どころ
  • 高さ約2.4m×幅約3.7mの三連画《Music of the Spheres》、惑星ごとの大作
  • ボイジャー録音に着想を得た電子音楽を、絵画とともにNYで初公開
  • マゼンタとコバルトブルーが渦を巻く《Heliocentric Series》
  • 10/29のオープニング、10/30の瞑想会、10/31のパネルディスカッション