展覧会 · Hannah Traore Gallery · Lower East Side

リン・ビアンキ「Heavy in White」、NYロウアー・イースト・サイドのハンナ・トラオレ・ギャラリーで

1944年生まれの写真家リン・ビアンキが、1998年から2000年前後に撮影したシュルレアリスム的なヌード写真シリーズ「Heavy in White」を、ロウアー・イースト・サイドのハンナ・トラオレ・ギャラリーで披露する。

文・NBT編集部 · 2026-11-05

ロウアー・イースト・サイドのオーチャード・ストリートにあるハンナ・トラオレ・ギャラリーで、11月19日から2027年1月16日まで、リン・ビアンキの写真シリーズ「Heavy in White」が開かれる。シュルレアリスム的なヌード・ポートレートを通して、身体への意識を捉え直す試みだ。

ビアンキは1944年生まれ。写真を始めたのは1998年、38歳のときである。美しさをめぐる世代的な思い込みがほどけていく場として制作を位置づけ、不安や自己批判を手放し、やさしさと自己受容のための余白をつくってきた。もうすぐ83歳になる現在も、女性の身体が移ろうことに強い関心を持ち続けている。祖母と母が自分や他の女性の体重についてたびたび口にする環境で育ったことが背景にある。性的な視線や対象化に根ざした自己批判の声を癒やすため、身体をコントロールしようとせず、ありのままに見つめて描こうとした。彼女にとって「heavy」とは重荷ではなく、豊かさの状態を指す言葉である。

撮影はすべてトライベッカにある自宅ロフトで行われた。モデルは髪をゴムの覆いで包み、パスタを食べる、大理石の彫刻にもたれるといった課題を与えられる。舞台は、高い天井から吊るした生成りの布と、骨董店や母親の家から集めた小道具で組んだ白い手製のセットだ。気まぐれな装飾品が肌をまとい、モデルたちが人の視線を意識せずに過ごせる空気がつくられた。

シリーズは「Body Studies」「Caryatids」「Dessert Eaters」「Spaghetti Eaters」などの主題で構成される。赤外線の白黒フィルムで撮影し、現像と焼き付けはすべて自分で行った。独学で写真を学んだビアンキは、定着や水洗といったアナログの工程を手作業で楽しみ、技術的な焼き手というより錬金術師のような心持ちで、温かみのある色調のプリントに金調色を施している。平たく白く飛んだ画面に、光の奥行きが加わる。木炭画を思わせる写真は、特定の体型が「流行」である必要などないという考えに静かに抗っている。

出品作には、《Servitude II》(1998)、《Lalique》(1998)、《Spaghetti Eater With Cat》(1998)、《Keep Your Fat Under the Table》(2000)などがある。《Sybaris》(2000)も展覧会のビジュアルに使われている。開館は火曜から土曜の11時から18時。

場所

Google マップで開く公式ページ

会期

11月19日 – 1月16日これから

作家

Lynn Bianchi

開館時間

火〜土 11:00〜18:00
見どころ
  • 赤外線白黒フィルムで撮影し、自ら現像・金調色したプリント
  • トライベッカのロフトに組んだ白い手製セットでの撮影
  • 《Spaghetti Eater With Cat》《Keep Your Fat Under the Table》などの出品作
  • 「Caryatids」「Dessert Eaters」など主題別に構成