展覧会 · Jack Shainman Gallery · Chelsea
ゴードン・パークス「Voices in the Mirror」ジャック・シェインマン・ギャラリー
ゴードン・パークスが撮った被写体本人や家族、関係者が写真を振り返る展覧会。モハメド・アリやマルコムXの遺族も初めて参加。ジャック・シェインマン・ギャラリーのラファイエット通り46番地で11月6日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

20世紀アメリカを代表する写真家ゴードン・パークスの作品を、撮られた人々やその家族の言葉からたどり直す展覧会「Voices in the Mirror」が、ジャック・シェインマン・ギャラリーで開かれている。会場はトライベッカに近いラファイエット通り46番地。会期は2026年11月6日までだ。
パークスは写真家であると同時に、作家、音楽家、映画監督としても活動した人物で、雑誌『ライフ』を舞台に人種差別との闘いと、黒人の暮らしの尊厳を撮り続けた。展覧会名は1990年に出版された最後の回想録のタイトルに由来する。今年はゴードン・パークス財団の設立20周年にあたり、その節目の企画でもある。
見どころは、写真に写った当事者や遺族による文章だ。モハメド・アリの妻ロニー・アリ、マルコムXの娘キュビラ・シャバズの寄稿は、遺族として初めて実現したものだという。ほかに、ブラックパンサー党を取材した1970年の写真のキャスリーン・クリーヴァー、1947年の「人形テスト」の写真に関わるケイト・クラーク・ハリス、1956年のジム・クロウ下のアラバマを撮ったシリーズのコーラ・テイラー、映画『The Learning Tree』(1969年)のカイル・ジョンソンらが、それぞれの記憶を寄せている。グロリア・ヴァンダービルトの息子アンダーソン・クーパー、イングリッド・バーグマンの娘イザベラ・ロッセリーニの名前もある。
作品では、人形テストの実験中の少年を写した「Doll Test, Harlem, New York」(1947年)、飲み水の「colored only」の水飲み場で少女が抱え上げられる様子を撮った「At Segregated Drinking Fountain, Mobile, Alabama」(1956年)、アルジェでエルドリッジとキャスリーン・クリーヴァー夫妻を撮った肖像(1970年)が取り上げられている。パークスは1956年の取材で、公民権運動の指導者や大事件ではなく、不当な状況の中で日常を送る人々の姿を選んだ。長く論じられてきた写真でも、当事者の証言が加わることで、撮影の背景や細部が新たに見えてくる。
寄稿者には、映画監督のエイヴァ・デュヴァーネイ、平等司法イニシアチブのブライアン・スティーブンソン、作家のアリス・ウォーカーと娘のレベッカ・ウォーカー、ハーレム・スタジオ・ミュージアムのサーマ・ゴールデン、写真研究者のデボラ・ウィリス、アーティストのハンク・ウィリス・トーマス、1963年のワシントン大行進に参加したアンドリュー・ヤング元大使も含まれる。デュヴァーネイは、パークスの2000年のドキュメンタリー『Half Past Autumn』の広報に関わった経験から言葉を寄せている。
写真を眺めるだけでなく、被写体の側から見返すことで、パークスと人々の協働関係が浮かび上がる構成だ。ギャラリー巡りの合間に、じっくり読みながら歩きたい展示である。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 9月18日 – 11月6日
- 作家
- Gordon Parks
- 会場
- Jack Shainman Gallery
513 West 20th Street, New York, NY
Google マップで開く - 見どころ
- アリ、マルコムXの遺族が初めて写真について寄稿
- 「Doll Test, Harlem, New York」(1947年)など代表作と当事者の証言
- アルジェで撮影したクリーヴァー夫妻の肖像(1970年)
- デュヴァーネイ、アンダーソン・クーパーら多彩な寄稿者





