展覧会 · Matthew Marks Gallery · Chelsea
リーディ・チャーチマン、マシュー・マークス・ギャラリーで個展「Space Remembers」
チェルシーのマシュー・マークス・ギャラリーで、リーディ・チャーチマンの個展「Space Remembers」が10月24日まで開催中。新作絵画13点と立体3点で、家、意識、宇宙をめぐる世界を描く。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

チェルシーのマシュー・マークス・ギャラリー(522 West 22nd Street)で、リーディ・チャーチマンの個展「Space Remembers」が10月24日まで開かれている。出品は2026年制作の新作絵画13点と立体作品3点。
チャーチマンは1979年生まれで、ニューヨークとメイン州を拠点に活動する。自然、現代のメディア、身近な日用品、さらにさまざまな文化的記号やシンボルまでを題材にする幅広さで知られる。作品はMoMA PS1、ヴェネチアのプラダ財団、ミュンヘンのブランドホルスト美術館、ロサンゼルス現代美術館、2022年ホイットニー・ビエンナーレなどのグループ展に出品されてきた。個展はケルンのケルニッシャー・クンストフェライン、ボストン大学アートギャラリー、フォートワース近代美術館、ニューヨーク州アナンデイル・オン・ハドソンのCCSバード・ヘッセル美術館で開かれている。来夏にはピッツバーグのカーネギー美術館でも個展が予定されている。
本展の中心となるのは、縦6フィート、横9フィート(約183×274cm)の大作5点だ。広がる風景、星のような門、貝殻を極端に拡大してトリミングした画面と、構図はそれぞれ異なる。ひとつはメイン州沖の島にある作家の自宅を描いたもので、牧歌的な景色のなかに思いがけない住人が現れる。前景には牛が横たわり、その腹からブルーベリーの茂みが生えるように見え、近くには2匹のロブスターがいる。上空には守護の仏尊のイコンが浮かぶ。
別の1点では、暗い雲のなか、枝やつる、蛇、魚、鳥が絡み合い、その中心の雨水溝の奥から、オウムガイの渦巻く内部の部屋があらわれる。近くには鏡像のような作品が掛かり、門のように抽象化された蓮の花が空を割っている。本展の文章を寄せた書き手アルヘナ・カツォフは、これらの絵を「家という概念を引力に変える」ものと評し、ここでの家は細胞的であり天体的であり、壊れていて同時に完全だと述べている。
チャーチマンは自作を、意識の本質とそれを知覚する力を探る継続的な探究、つまり知りうることの範囲を広げる試みと位置づける。《Center of the Universe (Ratna)》では、穏やかな山並みと、死と腐敗が広がる大地を並べる。画面中央には、ばらばらに崩れていく作家自身の身体が描かれ、チベット仏教の儀礼「チョド」への言及となっている。実践者が自らの身体を万物のために捧げる様子を観想する儀礼で、その対象にはウシガエル、コヨーテ、ヒグマ、岩といった人間以外の存在も含まれると作家は語る。
《Center of the Universe》は(Padma)、(Karma)、(Buddha)、(Vajra)、(Ratna)の連作として出品される。ほかに《The Trikāya》《Purple Moon》《Compass of Intuition》《Eternal Pop》などの絵画があり、彫刻は木や石に油彩を施し、拾った羽根を添えた《Ocean of Space-Time Drag Queen Dragon》など。仏教の図像と動物、日常の遊び心が同居する画面は、日本の読者にも親しみやすい入口になるだろう。
開館は火曜から土曜の10時から18時。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 〜10月24日
- 作家
- Leidy Churchman
- 会場
- Matthew Marks Gallery
522 West 22nd Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 火〜土曜 10:00〜18:00
- 入場
- Free
- 見どころ
- 縦6×横9フィートの大作5点。メイン州の自宅を描いた作品も
- 《Center of the Universe (Ratna)》:チベット仏教の儀礼チョドに着想した、作家自身の身体の描写
- 木や石に油彩し、拾った羽根を添えた立体3点
- 「Center of the Universe」連作(Padma、Karma、Buddha、Vajra、Ratna)





