展覧会 · Matthew Marks Gallery · Chelsea

ウェイド・ガイトン、NYチェルシーのマシュー・マークスで彫刻展

インクジェット絵画で知られるウェイド・ガイトンが、チェルシーのマシュー・マークス・ギャラリーで彫刻展を開催。ブロンズやアルミ、合板、カーペットによる新作と近作の絵画を、2027年1月23日まで展示する。

文・NBT編集部 · 2026-11-05

ウェイド・ガイトン、NYチェルシーのマシュー・マークスで彫刻展
Untitled 2024–26 Epson UltraChrome HDX inkjet on linen, cast aluminum (6 parts) 92¼ × 150¾ × 21¾ inches ; 113 × 85 × 18 cm — Matthew Marks Gallery

ウェイド・ガイトンは1972年生まれのアーティストで、市販のエプソン製インクジェットプリンターでリネンにイメージを出力する絵画によって知られる。画面に現れるのは、デジタル画像がプリンターを通る過程で生じるにじみやかすれ、縞といった痕跡だ。その作品は、パリ市立近代美術館(2023年)、ケルンのルートヴィヒ美術館(2019年)、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー(2017年)、チューリヒ美術館(クンストハレ・チューリヒ、2013年)、ニューヨークのホイットニー美術館(2012年)などで個展として紹介されてきた。来春にはミラノのプラダ財団でも個展が予定されている。

チェルシーの522 West 22nd Streetにあるマシュー・マークス・ギャラリーで開かれる本展は、タイトルのとおり彫刻に焦点を当てる。素材はブロンズ、アルミニウム、ステンレス、石膏、合板(ダグラスファー)、カーペットなど幅広い。いずれも日常的な物や身近な構造物を出発点にしている。

モデルになったのは、ピッツバーグのカーネギー美術館のクロークにあるカウンター、自作の絵画を運ぶための輸送用フレーム、大きなキャンバスを巻く際に使うタイベック包みの厚紙チューブ、20年前の自作彫刻を撮った3D画像、そしてスタジオのあるビルに入っていたタイル店が退去後に残した什器である。キュレーターのイルマズ・ジーヴィオールは、ガイトンが絵画やドローイングと同様に既存のイメージを別のものに変換しているが、今回は三次元のイメージを対象とし、物として制作することでそれを引用している点が大きな違いだと述べている。

出品作は、2026年制作の鋳造ブロンズ(15パーツ、17パーツ)、塗装した鋳造アルミ(16パーツ)、鋳造アルミ(17パーツ)といった多数のパーツで構成される作品のほか、リネンへのインクジェット出力と鋳造アルミを組み合わせた作品群を含む。「Untitled (Wrapped Chair Sculpture)」(ブロンズとステンレス)や「Untitled (Wrapped U Sculpture v.5)」(ステンレスと石膏)、ダグラスファーと吸音カーペット、蛍光灯を用いた作品も並ぶ。2025〜26年制作の近作絵画も加わり、絵画と彫刻の関係を一つの空間で見渡せる構成だ。

会期は2026年11月4日のオープニング(18〜20時)に始まり、2027年1月23日まで。開館は火〜土曜の10時〜18時。

ガイトンの絵画を見慣れた人には、同じ発想が立体へ移ったときの変化を確かめる機会になる。初めて作品に触れる人にとっても、身の回りの物がどのように作品へ変わるかを具体的にたどれる展覧会だ。

場所

Google マップで開く公式ページ

会期

11月4日 – 1月23日開催中

作家

Wade Guyton

開館時間

火〜土曜 10:00〜18:00
見どころ
  • ブロンズやアルミの多パーツ作品(15〜17パーツ)
  • リネンへのインクジェット出力と鋳造アルミを組み合わせた作品群
  • カーネギー美術館のクロークのカウンターなど、身近な物を出発点にした彫刻
  • 2025〜26年制作の近作絵画も同時展示