展覧会 · Tanya Bonakdar Gallery · Chelsea

サンドラ・シント、タニヤ・ボナダー・ギャラリーで新作展「星への道」

サンパウロ拠点のサンドラ・シントが、チェルシーのタニヤ・ボナダー・ギャラリーで12回目の個展を開催。夜明けから夕暮れへ続く絵画、壁画、二曲の屏風で、対極のあいだに広がる領域を探る。会期は11月5日から12月18日。

文・NBT編集部 · 2026-10-17

サンドラ・シント、タニヤ・ボナダー・ギャラリーで新作展「星への道」
Tanya Bonakdar Gallery

サンパウロを拠点に活動するサンドラ・シントは、1990年代初頭から約30年以上にわたり、ドローイングを軸に制作してきた作家です。線を描くという行為を手がかりに、絵画、彫刻、そして場所そのものの境界を問い直し、緻密な画面や空間全体を包み込むインスタレーションを生み出してきました。タニヤ・ボナダー・ギャラリーでの個展は1999年の初個展以来、今回で12回目になります。

「The Path to Stars(星への道)」では、新作の絵画、壁画、屏風が展示されます。太陽と星を着想の源とし、分断や不和が語られる時代に人と人をつなぐ力として捉え直す試みです。展示の入口では、夜空を思わせる濃紺の円形画面《Nocturne》が来場者を迎え、ここから夜から昼への旅が始まります。

メインスペースに進むと、絵画の色調は薄れゆく黄昏を経て、日の出の最初の光を描いた大きな円形作品《Aurora》へと移ります。続く小ぶりの空の絵は昼間の金色の光をとらえ、最後に墨のように深い藍色の夕暮れで締めくくられます。光と影、存在と不在、均衡と不均衡といった対比が、私たちの見方や感じ方をどう左右するかを、連作を通して見つめます。

空間を分けるのは二つの大きな屏風(ビオンボ)です。それぞれ片面は金で細密に描かれ、もう片面は青地にのびやかな筆致が走ります。シントにとって、この二つの対極のあいだには可能性に満ちた領域があります。展覧会が示す「中間」は、単なる均衡点ではなく、境界が揺らぎ、現実の複雑さが見えてくる探究の場とされています。対立するものは打ち消し合うのではなく、共存し、補い合い、互いを変化させうるという考え方です。

これまでにダラス美術館(2019〜2020年)、東京のフォンダシオン・エルメス(2020年)、サンパウロのチタデル・トミエ・オオタケ研究所(2010年)などで個展を開催。パブリックアートも多く、ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリング癌センターの《Open Seascape》(2019年)や、長谷川祐子がキュレーションしたタイ・ビエンナーレ(2021年)での作品があります。サンパウロの広場に建つ書店のために、8面の陶製タイル壁を手がけており、2026年12月1日の開業が予定されています。日本との縁も深い作家の新作を、チェルシーで体験できる機会です。

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状況
これから
会期
11月5日 – 12月18日
作家
Sandra Cinto
会場
Tanya Bonakdar Gallery
521 West 21st Street, New York, NY
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見どころ
  • 入口に掛かる濃紺の円形画面《Nocturne》から始まる、夜から昼への構成
  • 日の出の最初の光を描いた大型の円形作品《Aurora》
  • 片面は金の細密描写、もう片面は青地の筆致という二つの大型屏風
  • 昼の金色の光から藍色の夕暮れへ続く小ぶりの空の連作