展覧会 · Tanya Bonakdar Gallery · Chelsea
サンドラ・バスケス・デ・ラ・オーラ、タニヤ・ボナクダー・ギャラリーで個展「Reading the Waves」
チリ出身でベルリンを拠点とするサンドラ・バスケス・デ・ラ・オーラが、チェルシーのタニヤ・ボナクダー・ギャラリーで同画廊初の個展を開催。蜜蝋をまとう紙の作品が、海と大地の精霊を描く。10月29日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

チェルシーのタニヤ・ボナクダー・ギャラリーで、サンドラ・バスケス・デ・ラ・オーラの新作個展「Reading the Waves」が開かれている。同画廊では初の個展で、会期は2026年9月10日から10月29日まで。
バスケス・デ・ラ・オーラは1967年チリのビニャ・デル・マール生まれ、現在はベルリンを拠点にする。デュッセルドルフ芸術アカデミーで学んだのち、ケルンのメディア芸術大学に進んだ。制作の土台はドローイングで、精霊信仰や民間伝承、宗教図像、ラテンアメリカの民衆的なイメージを取り込み、各地の治癒の実践や先住民の知恵への人類学的な関心も重ねながら、人間の身体と自然のつながりを描く。紙を蜜蝋に浸して透明感を保ったまま質を変えたり、蛇腹状の立体にしたりするのも特徴だ。近年はミュンヘンのハウス・デア・クンスト(2025〜26年)、デンバー美術館(2024年)などで個展が開かれ、ニューヨーク近代美術館、ポンピドゥー・センター、テートなどにも作品が収蔵されている。2023年にはケーテ・コルヴィッツ賞を受賞した。
今回のテーマは「自然の中の兆しを読む」こと。子どもは無意識のうちに天気や環境の変化を観察し、読み取るが、やがてそれらがはかなく、人の力の及ばないものだと知る。雲や虹、波は、そうして広がる自然の力への意識を示すモチーフとして登場する。
1階のメインギャラリーでは、巨大なドローイングを円形に配置し、礼拝堂のような空間をつくる。方位と太陽が配置の向きを導き、風景と身体、精神性が一つになる構成だ。深海のオリシャ(アフリカ系信仰の神格)であるオロクンを描いた大型の三連画や、海の生き物、甲殻類の絵も並ぶ。
2階の大きな展示室には、海と川のオリシャ、イェマヤーを描いた吊り下げ式のレポレロ(蛇腹状の作品)が展示される。近くを流れるハドソン川への敬意が込められており、紙の彫刻として両面をぐるりと回って見られる。小さな展示室では植物とそのオーラを通じて大地とのつながりを示す作品が並び、万物をつなぐ大地母神パチャママを描いた大型三連画もある。すべての作品を覆う蜜蝋は、紙を守る被膜であると同時に錬金術的な変容をもたらし、制作を有機的な世界へと結びつけている。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 9月10日 – 10月29日
- 作家
- Sandra Vásquez de la Horra
- 会場
- Tanya Bonakdar Gallery
521 West 21st Street, New York, NY
Google マップで開く - 見どころ
- 1階の円形に並ぶ巨大ドローイングと、深海のオリシャ「オロクン」の三連画
- 2階に吊るされた蛇腹状レポレロ「イェマヤー」(ハドソン川へのオマージュ)
- 大地母神パチャママを描いた大型三連画
- 蜜蝋をまとった透明感のある紙の作品群





