展覧会 · Whitney Museum of American Art · West Village
ホイットニー・ビエンナーレ2026、石川真生ら56組が集う
ホイットニー美術館で3月8日から10月12日まで開かれた第82回ビエンナーレ。石川真生、池添彰を含む56組が参加し、アメリカ美術の「いま」と「アメリカ的とは何か」を問うた。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

ホイットニー・ビエンナーレは、アメリカ美術の現在を映す展覧会として知られる、同国で最も長く続く概観展である。第82回となる2026年版は、3月8日に開幕し、10月12日に閉幕した。ミート・パッキング地区に面したガンセヴォート・ストリート99番地の美術館で、56組のアーティスト、デュオ、コレクティブが参加した。
今回の核にあるのは「アメリカ的とは何か」という問いだ。明確な主張や結論を示すのではなく、現代の生活に染みわたり人々を結びつける「感情」や「ムード」に耳を澄ます構成で、世代も出身も異なる作家が並んだ。国内各地の作家に加え、アフガニスタンからベトナムまで、アメリカの影響力が及んだ土地ゆかりの作家も名を連ねた。テーマは、動物との関係、家族、地政学的なもつれ、テクノロジーへの親近感、インフラの網、不安定な生態系、共有される神話など幅広い。
日本の読者に身近なのは、沖縄の写真家・石川真生である。会場には、シリーズ「赤花(アカバナー)」(1975〜77年)の一点と、「Life in Philly」(1986年)の写真が展示された。池添彰は、《Frog Stories Around Nuclear Power Plant》《Robot Stories Around Solar Panels》《Mole Stories Around Methane Gas》(いずれも2025年)といった、エネルギーをめぐる物語的な作品で参加した。ニューヨークを拠点とするデザイン集団CFGNYは、ダニエル・チュー、イズ・テン、カースティン・キルポネン、ティン・グエンの4人による《Continuous Fractures Generating New Yields》(2025年)を、半透明の木製の間仕切りとセラミック彫刻で構成した。
ほかにも、カーテンのように吊るした映像インスタレーションで知られるバセル・アッバス&ルアン・アブ=ラーメの《Until we became fire and fire us》、ミシェル・ロペスの円形の天井スクリーン作品《Pandemonium》、パット・オレスコによる巨大なバルーン彫刻《Blowhard》(1995年)、エミリー・ルイーズ・ゴシオーが愛犬との関係を描いた連作など、素材も形式も多様な作品が並んだ。アンドレア・フレイザー、サミア・ハラビー、カムルーズ・アラム、アジズ・ハザラ、ズィー・ブラスらも参加している。
展示は階ごとに会期が異なり、5階は8月23日、1階は9月7日、6階は10月12日まで公開された。企画はマルセラ・ゲレロとドリュー・ソーヤーが共同で担当し、全作家へのインタビューを収めた図録も刊行されている。美術館向かいのガンセヴォート・ストリートには、展覧会に関連するビルボードも掲げられた。
- 状況
- 終了しました
- 会期
- 3月8日 – 10月12日
- 作家
- Mao Ishikawa, Akira Ikezoe, CFGNY, Ash Arder, Emilio Martínez Poppe, David L. Johnson, Ali Eyal, Emilie Louise Gossiaux, Michelle Lopez, Andrea Fraser, Nour Mobarak, Basel Abbas & Ruanne Abou-Rahme, Pat Oleszko, Kimowan Metchewais, Anna Tsouhlarakis, Kamrooz Aram, Aziz Hazara, Samia Halaby, Erin Jane Nelson, Young Joon Kwak, Precious Okoyomon, Sung Tieu, Zach Blas
- 会場
- Whitney Museum of American Art
99 Gansevoort Street, New York, NY
Google マップで開く - 見どころ
- 石川真生「赤花(アカバナー)」(1975〜77年)と「Life in Philly」(1986年)の写真
- 池添彰《Frog Stories Around Nuclear Power Plant》ほか2025年の3作
- CFGNY《Continuous Fractures Generating New Yields》(2025年)
- パット・オレスコの巨大バルーン彫刻《Blowhard》(1995年)





