展覧会 · Tribeca
NYトライベッカ、デヴィッド・ノーラン・ギャラリーでヴァレリオ・アダミ展。10月24日まで
イタリアの画家ヴァレリオ・アダミが、ニューヨークで約20年ぶりに個展を開いています。トライベッカに移転したデヴィッド・ノーラン・ギャラリーのこけら落としで、1962〜67年の絵画と素描が中心です。会期は10月24日までです。

トライベッカのレナード・ストリート74番地に移転したデヴィッド・ノーラン・ギャラリーが、新スペースの最初の展覧会として、イタリアの画家ヴァレリオ・アダミの「Alice in the Land of Violence」を開いています。会期は9月9日から10月24日までで、終了まであとわずかです。ニューヨークでの個展は約20年ぶりにあたります。

出品は絵画16点と素描15点です。Hyperallergicによると、1点を除いてすべて1962〜67年の制作です。例外は今年完成した「Hotel Pulitzer」で、アダミは現在91歳。1960年代の作品は、後に確立する輪郭のはっきりした硬質なグラフィック様式に至る前の時期にあたり、ギャラリーは「荒々しく活気がある」と説明しています。ファッション、自動車、商業文化といった戦後の風景を取り込み、幻想と現実のあいだを行き来する画面です。

アダミは1935年ボローニャ生まれ。1955年にパリへ移り、ロベルト・マッタやウィフレド・ラムと親交を結びました。1962年のロンドン滞在ではリチャード・ハミルトンらと交流し、コミックの擬音語や現代音楽も作品に入ってきます。60年代半ばに初めてニューヨークを訪れた際はチェルシー・ホテルに滞在し、アレン・ギンズバーグやソール・スタインバーグと知り合いました。彼を引きつけたのはポップ・シーンではなく、街のアンダーグラウンドの作家や詩人、音楽家たちだったといいます。

ホテルの一室と自動車は、この時代に繰り返し現れる主題です。アダミは1963年にピエトロ・タルッフィの高速ドライビング・スクールに通った愛好家で、エンジン音を連想させる題名を作品につけました。出品作には「Auto-lavaggio(洗車)」(1964年)、「Blam」(1962年)、「Toys」(1965年)、「Il miraggio」(1965年)などがあります。展覧会名は、1963年の「Da “Alice nel paese della violenza”」に由来します。
フラットで彩度の高い色面を黒い輪郭線で区切る画風から、ポップ・アートと並べて語られることが多い作家です。本人はその呼称を強く拒み、文学や精神分析、哲学的な問いに根ざした「ナラティブ・フィギュレーション」を自らの立場としてきました。ギャラリーによれば、壁画などの大規模な公共作品はパリから東京まで世界各地で手がけています。日本の読者にとっては、東京にも作品がある作家という点が目を引きます。







