展覧会 · Bortolami · Tribeca

クリスティーヌ・サファ個展「Noces」ボルトラミで開催

フランス・レバノン系の画家クリスティーヌ・サファが、トライベッカのBortolamiで個展「Noces」を開催。地中海の夏と記憶を薄い顔料の層で描いた新作11点を展示。会期は10月24日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

クリスティーヌ・サファ個展「Noces」ボルトラミで開催
Christine Safa: Notes, installation view, Bortolami, New York, NY, 2026. Courtesy the artist and Bortolami, New York. Photography by Guang Xu. — Bortolami

トライベッカのギャラリーBortolamiで、フランス・レバノン系の画家クリスティーヌ・サファの個展「Noces」が開かれている。会期は2026年10月24日まで。ギャラリーが同作家を扱う展覧会で、2026年制作の絵画11点が並ぶ。

サファは1994年、フランスのル・シェネ生まれでパリを拠点とする。パリの国立高等美術学校(ボザール)を卒業し、2024年には若手画家を対象とする欧州の主要な賞、ジャン=フランソワ・プラ賞を受賞した。同年、パリ大司教区とフランス文化省によるノートルダム大聖堂のステンドグラス制作の最終候補にも選ばれている。これまでにFrac Auvergne、ICA ミラノ、パリのGalerie Lelong & Co.などで個展を開き、ポンピドゥー・センター・メス、オルセー美術館、MUCEMなどのグループ展にも参加。作品はフランス国立造形芸術センターやレバノンのアイシュティ財団などに収蔵されている。

作風の核にあるのは、純粋な顔料を薄く重ね、フレスコのような質感の下地の上に載せていく手法だ。今回の絵画は、イタリアの教会の調査、故郷ベイルートへの再訪、フランスのアトリエでの制作と、地中海を行き来した時間から生まれた。人物が浮かび上がっては退き、風景が溶け出す寸前で留まる画面は、これらの土地が政治的であると同時に形而上的でもあることを映している。

繰り返し登場するのは、作家の夫、ペット、窓から見える景色といった身近な存在だ。それらは虹の光輪を帯び、ひまわりの冠をかぶって、神聖なものへと高められる。「ひとつの記憶の全体が、どうやってひとつの画像になるのか」という問いが作品全体に通底し、海のように、定まることと消えることの揺らぎのなかで統一感を示している。

展覧会名は、アルベール・カミュが若い頃に書いたエッセイ集『結婚』(原題Noces)に由来する。アルジェと地中海での体験をもとに、夏と海と太陽を讃えた作品だ。サファもカミュと同じく、超越を生活の外ではなく、風景や光、日々の営みの質感のなかに見出す。避難や戦争の影が続く現代にあって、彼女の絵は、時間と暴力による消失に抗って人生を琥珀のように留める、静かな信仰の身振りとなっている。

出品作には《Vigne aux tournesols》《Colombe》《La convalescence》《Horizon bleu indigo》《La mer, parfois (bleu azurite)》などがある。会場の39 Walker Streetは火曜から土曜の10時から18時まで開いており、予約でも観覧できる。

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状況
まもなく終了
会期
9月9日 – 10月24日
作家
Christine Safa
会場
Bortolami
39 Walker Street, New York, NY
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開館時間
火〜土 10:00〜18:00、予約制での観覧も可
見どころ
  • 薄い顔料の層とフレスコ調の下地で描く2026年の新作絵画11点
  • 虹の光輪やひまわりの冠をまとう、夫やペット、窓の景色といった身近なモチーフ
  • カミュのエッセイ『結婚』に着想を得た、地中海の夏と光の表現
  • 《La mer, parfois (bleu azurite)》《Horizon bleu indigo》など海と空を描いた作品