展覧会 · Bortolami · Tribeca
片山真妃と小野光、NYトライベッカのボルトラミで二人展
ニューヨーク・トライベッカのBortolamiで10月30日から、片山真妃と小野光の二人展が開幕。リチャード・オルドリッチが企画し、和田三造の色彩辞典に基づく絵画と、日本各地の粘土による「Object for Painting」を並べる。

トライベッカのギャラリーBortolamiが、10月30日から12月19日まで、片山真妃と小野光の二人展を3階ではなく「The Upstairs」(39 Walker Street)で開く。企画は画家のリチャード・オルドリッチ。表現媒体は異なるが、二人とも絵画を技法の集まりではなく、概念的な枠組みとして捉えている点が展覧会の軸になる。
片山真妃は1982年東京生まれ、東京を拠点に活動する。2006年に多摩美術大学で油画の学士号を取得した。和田三造の『色彩調和 配色事典』(1930年代の刊行)と、日本の規格キャンバスの寸法をもとにルールを定め、色の関係、比率、作品の配置を決めていく。2枚の関連するキャンバスに絵具を塗り、濡れた面同士を押し当てて転写する工程を通じて、あらかじめ決めた構造のなかに偶然による変化を呼び込む。絵具は和田の本にある色を目指して手で調合する。同書は色を、類似と対照、透明と不透明、暖色と寒色といった二項対立で分類している。
小野光は1990年ドイツ・リューネブルク生まれで、東京を拠点とする。2014年に多摩美術大学で油画の学士号を取得した。継続中のシリーズ「Object for Painting」では、日本各地から集めた生の粘土が絵具でもありキャンバスでもある。切る、溝を掘る、折る、取り除くといった操作で形づくり、自然乾燥させたあとワニスで仕上げる。素材の生々しい感触を残しながら、表面を絵画的に扱う。出品作の一例《Object for Painting No. 216》(2026年)は、未焼成の粘土による12×12×7.5cmの小さな作品だ。
共通するのは、自然と知覚への関心である。日本の色名には、萌黄色(芽吹く木の黄緑)や納戸色(納戸の灰みがかった青)のように、場所や暮らしと結びつくものが多い。この細やかな分類は、先住民族の精緻な植物の知識と語彙を論じた人類学者クロード・レヴィ=ストロースの仕事を思わせるという。
素朴で土に近い質感は、もの派の素材感や空間感覚、1960年代のシステム・アートのルール重視の構造にも通じる。そのうえで二人は作品を小さなスケールにとどめ、色・素材・表面の予想外の出会いを、個人的な鑑賞体験として差し出す。
開廊は火〜土曜の10時から18時まで、予約でも対応する。
会期
作家
開館時間
- 見どころ
- 片山真妃:和田三造の色彩辞典に基づき、濡れたキャンバス同士を押し当てて転写する絵画
- 小野光:日本各地の生の粘土で作る連作「Object for Painting」
- 企画は画家リチャード・オルドリッチ、会場は「The Upstairs」
- もの派やシステム・アートにも通じる小さなスケールの作品群







