展覧会 · David Zwirner · Chelsea
スコット・カーン、デイヴィッド・ツヴィルナーで風景画の個展「Silent Night」
チェルシーのデイヴィッド・ツヴィルナー20丁目で、スコット・カーンの個展「Silent Night」が10月17日まで開催中。新作と過去25年の風景画を通して、月や窓、季節の移ろいといったモチーフをたどる。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

チェルシーのデイヴィッド・ツヴィルナー(537 West 20th Street)で、スコット・カーンの個展「Silent Night」が開かれている。会期は10月17日まで、つまり最終日が目前に迫っている。風景画はカーンの制作の中心にあるジャンルで、本展では新作と近作に加え、過去25年にわたって描かれてきた作品が並び、彼が繰り返し取り上げてきたモチーフをたどることができる。
カーンは1946年マサチューセッツ州スプリングフィールド生まれ。1967年にペンシルベニア大学を卒業し、翌年ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグでセオドロス・スタモスに学んだ。マーク・ロスコら影響力のある作家とも出会ったが、やがて抽象から離れ、具象の道を選んだ。1970年にラトガース大学でMFAを取得している。50年以上にわたり具象絵画を続け、現在はニューヨーク州ウェストチェスターで制作する。2024年にはデイヴィッド・ツヴィルナー香港で、アジア初の個展「Once in a Blue Moon」を開いた。
作品は、自身が暮らし旅した場所を描く「視覚的な日記」のような風景だが、実景の再現にとどまらない。木や雲、草は作家独自の記号的な形で描かれ、現実の体験に鮮烈な色や幽霊のような影が差し込む。カーンは風景を「気分を表現するための乗り物」と語っている。
出品作では「窓」と「月」が目を引く。《The Basement》(2025)は、冬枯れの赤・青・緑の木々が中央の窓を囲み、窓の向こうに緑の森が広がる。幼少期の家の夢をもとにした作品で、室内と屋外が溶け合う。《The Leaves Have Fallen》(2024/2025)では、中央の木が画面を左右に分け、左は晴れた秋の日、右は暗い冬の夜を描く。《Leap from the Balcony》は木枠越しに夕日の海と空を望む構図。月については、《Blue Moon》(2021)が昼の空に巨大な月と薄い赤い巻雲を置き、タイトルの色の含意を逆手に取る。《Silent Night, Moon》(2026)は自宅の裏庭が着想源で、生け垣が画面を二分し、満月が重く浮かぶ。
最新作では遠近感を操作し、見る者の感覚を揺さぶる。《Melt Off》(2026)は曲がる地平線と、昼から夕暮れへ移る光を描く。ほかに《Silent Night》(2026)や、ハンス・ホフマンへのオマージュ作《The Studio, Homage to Hans Hofmann》(2026)も出品されている。油彩で、リネン、キャンバス、木製パネルに描かれている。
開廊は火〜土曜の10時〜18時。入場料の記載はない。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 9月10日 – 10月17日
- 作家
- Scott Kahn
- 会場
- David Zwirner
537 West 20th Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 火〜土 10:00〜18:00
- 見どころ
- 《The Basement》(2025):幼少期の家の夢から生まれた、窓と色鮮やかな木々の大作
- 《Silent Night, Moon》(2026):裏庭の生け垣と満月を描く表題系の新作
- 《Melt Off》(2026):曲がる地平線と昼から夕暮れへの光の移ろい
- 《Blue Moon》(2021):昼空に浮かぶ巨大な月と赤い巻雲





