展覧会 · Lehmann Maupin · Chelsea

カリーダ・ローリーズ、レーマン・モーピンで新作展「Parallax」

水を題材にした絵画で知られるカリーダ・ローリーズが、チェルシーのレーマン・モーピンで新作展を開催。プールの娘を異なる位置から捉えた3点の絵画を軸に、視点の移動が見え方を変える様子を探る。会期は11月14日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

カリーダ・ローリーズ、レーマン・モーピンで新作展「Parallax」
Lehmann Maupin

チェルシーのレーマン・モーピン・ニューヨークで、カリーダ・ローリーズの新作絵画展「Parallax(視差)」が10月15日から11月14日まで開かれている。立つ位置が変われば、同じ瞬間でも見え方が変わる。その単純でいて奥深い事実が、本展の出発点だ。

ローリーズは1976年デラウェア州ウィルミントン生まれ。ハイパーリアリズムと詩的な抽象を組み合わせた絵画で知られる。黒人の人物を流動的な環境のなかに置き、水を重要な素材であると同時に、歴史的な意味を帯びた場として用いてきた。水はアイデンティティ、記憶、癒し、帰属といった問いを浮かび上がらせる。彼女にとって水は二面性をもつ。身体的・精神的な癒しを意味する一方で、トラウマや人種的排除、強制的な移動の歴史も想起させる。歴史、神話、哲学、政治を参照しながら、人種にまつわる紋切り型を離れた黒人像と、癒しの新たな可能性を描く。さざ波が顔を隠しながら、直接は見えないものを現す、という水の働きが制作の核にある。

今回の展示の中心は3点の絵画だ。元になったのは、作家がプールで末の娘を撮影した写真である。ローリーズは水中で娘の周囲を動きながらシャッターを切った。数秒のうちに撮られた写真は、ほぼ同じ瞬間を記録しているのに、位置や角度が違うため、まったく異なる構図と視覚体験を生む。距離、近さ、角度、動きが、瞬間そのものを変えることなく見え方を変えていく。作家はそこに関心を抱いたという。

出品作には《Call Me Back》《Axis of Paradise》《The Geometry of Origins》(いずれも2026年)が含まれる。抽象化された水、光、人物の周囲を巡る動きによって、親密でありながら広がりを感じさせる空間が立ち上がる。作家は「立つ位置を変えることは、見るものだけでなく、見たものをどう理解するかも変える」と考える。

10月29日(木)の18時から20時は、特別延長営業が行われる。通常の開廊時間は火曜から土曜の10時から18時。会場はウェスト24丁目501番地。

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状況
開催中
会期
10月15日 – 11月14日
作家
Calida Rawles
会場
Lehmann Maupin
501 West 24th Street, New York, NY
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開館時間
火〜土 10:00〜18:00(10月29日(木)は18:00〜20:00も開廊)
見どころ
  • プールの娘を異なる位置から撮った写真に基づく3点の絵画が中心
  • 《Call Me Back》《Axis of Paradise》《The Geometry of Origins》(2026年)
  • 水を歴史的意味を帯びた場として描くハイパーリアリズムと抽象の融合
  • 10月29日(木)18〜20時は延長開廊