展覧会 · Lehmann Maupin · Chelsea
ラナ・ベガム、リーマン・モーピンで NY初の個展
バングラデシュ生まれ、ロンドン拠点のラナ・ベガムが、チェルシーのリーマン・モーピンでニューヨーク初の個展を開催。光を主題とする壁面作品と吊り下げ作品を紹介する。会期は10月24日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

チェルシーのリーマン・モーピン・ニューヨークで、ラナ・ベガムのニューヨーク初個展が開かれている。会期は2026年9月10日から10月24日まで。ベガムは1977年バングラデシュ生まれ、ロンドン在住。1999年にチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで学士号(BA)を、2002年にスレード美術学校で絵画の修士号(MFA)を取得した。この20年ほど、反復と抽象を軸にした独自の視覚言語を築いてきた。
制作の中心にあるのは光だ。光を主題であると同時に素材としても扱い、彫刻作品が周囲の光を吸収し、反射し、変化させていく。工業素材や反射面を多用するため、見る位置や環境によって表情が移り変わる。アグネス・マーティン、ドナルド・ジャッド、メアリー・マーティン、ソル・ルウィット、テス・ジャレイらの幾何学的抽象の系譜に連なる一方、都市環境やイスラム美術・建築の幾何学モチーフも参照している。対称性とリズムが生む無限の感覚は、静かに向き合うための場をつくり出す。
展示の柱のひとつが「ルーヴル」シリーズである。換気パネルやファサード、ブラインドなど、都市で目にするルーヴル(羽板)の単純な形に着想を得たもので、10年にわたる実験とリサーチを経て、透過性というテーマにたどり着いた。金属、石、ガラスを用い、素材と色が光にどう応えるかを探る。壁掛けと吊り下げの作品はそれぞれ重さや密度、脆さを感じさせ、条件によって淡く捉えがたく見えたかと思うと、はっきりした固い形へと定まっていく。出品作には《No. 1462 Louvre》《No. 1464 Louvre》《No. 1465 Louvre》(いずれも2025年)のほか、《No. 1261 T Reflector》《No. 1262 T Reflector》(2023年)、《No. 969 L Reflector》(2019年)、《No. 1473 L Reflector》(2025年)などの壁面・立体作品が並ぶ。
注目作は《No. 1272 Chainlink》(2023年)。ロンドンのホワイトチャペル・ギャラリーのグループ展のために最初に制作された作品で、赤と青にパウダーコーティングしたチェーンリンクのフェンスを天井から幕のように吊り下げる。近づいたり回り込んだりすると、金網の層が重なり、濃密な色と網目のような透け感が交互に現れる。
今回の個展は、米国の美術館で初となるSCAD美術館(サバンナ)での紹介に続くものだ。フィンランド・オウルの都市型アートトレイル「Climate Clock」への新作、イングランドのキュー・ウェイクハーストでのヘンリー・ムーアらとの屋外彫刻展にも参加している。2026年秋にはヒューストンのイスマイリ・センターと英イーストボーンのタウナー・イーストボーンで新たな site-specific 作品を発表予定。ボストン美術館(MFA)のイスラム文化ギャラリーには恒久設置の作品がある。
会場は501 West 24th Street。開館は火〜土曜の10時〜18時。会場では紙に反射テープを用いた《WP330》(2019年)が5,000ドルで販売されている。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 9月10日 – 10月24日
- 作家
- Rana Begum
- 会場
- Lehmann Maupin
501 West 24th Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 火〜土曜 10:00〜18:00
- 見どころ
- 《No. 1272 Chainlink》(2023):赤と青のチェーンリンクを天井から吊るしたインスタレーション
- 「ルーヴル」シリーズ:金属・石・ガラスで光と透過性を探る2025年の作品群
- 《T Reflector》《L Reflector》:反射面が見る位置で表情を変える壁面・立体作品





