展覧会 · Lisson Gallery · Chelsea
杉本博司「Unnatural Habitat」リッソン・ギャラリー・ニューヨークで開催中
杉本博司がチェルシーのリッソン・ギャラリーで個展を開催。1975年に始まる「ジオラマ」シリーズに、2025年撮影の新作、初めて拡大された旧ネガ、京都の職人による和紙の屏風を加えた構成。10月24日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16
杉本博司がチェルシーのリッソン・ギャラリー・ニューヨーク(504 West 24th Street)で、同ギャラリーでは3度目となる個展「Unnatural Habitat」を開いている。会期は9月15日から10月24日まで。ニューヨークと杉本の約50年にわたる関係をたどる展覧会で、彼の代表的な連作のひとつ「ジオラマ」シリーズを軸に構成されている。
杉本は1973年にニューヨークへ移り、その2年後の1975年にアメリカ自然史博物館を訪れた。絵画で描かれた背景と剥製の動物を組み合わせたジオラマが、驚くほど生きているように見えたことが出発点となった。自然を人工的な形式で表すという矛盾に目を留め、ジオラマ撮影は1970年代半ばから続くシリーズとなった。2025年には、最初の撮影から50年を経て同館に戻り、新たに撮影している。
出品作は、ライオン、コンドル、ジャガー、ホモ・エレクトスのほか、ロッキー山脈や巨大なサボテンの森といった広い風景に及ぶ。最初期の《Polar Bear》(1975)は、杉本がアーティストとして最初に制作した作品とされる。《Hunting Dogs》は1980年に撮影され、2025年に再訪した際、元の展示で電球切れのために生じていた空の濃淡のムラを調整した。展示作品にはほかに、1994年のゼラチン・シルバー・プリント《California Condor》《Lion》がある。あわせて、新たに見つかったネガを初めて拡大した作品も紹介される。
もうひとつの見どころは、ジオラマを撮影したカラー写真4点を屏風に仕立てた新作だ。和紙にプリントし、京都の伝統的な職人技で制作された。杉本の写真でカラーが本格的に用いられるのは、「Opticks」シリーズに続いて2度目である。屏風という形式は写真を額縁の外へ広げ、彫刻的・空間的な存在感を与える。同時に、ジオラマ自体が持つ描かれた面や作られた遠近法とも響き合う。モノクロームの厳密な写真で知られてきたこのシリーズに、異なる視覚の層が加わる。2025年作の顔料プリント《Birds of Japan》(180×320cm)や《Oyster Bay》(180×376cm)など大型作品も出品されている。
杉本は1948年生まれで、東京とニューヨークを拠点とする。写真に加え、彫刻、建築、舞台に活動を広げ、2008年に新素材研究所、2009年に小田原文化財団を設立、2017年には江之浦測候所を開いた。2026年には東京国立近代美術館で「Extinction」展が開かれ、シンガポール美術館でも大規模な個展が予定されている。ワシントンD.C.のハーシュホーン美術館彫刻庭園も、杉本の設計で再開を控える。
ギャラリーの開館時間は火〜土曜の10:00〜18:00。会期は10月24日までで、残りわずかとなっている。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 9月15日 – 10月24日
- 作家
- Hiroshi Sugimoto
- 会場
- Lisson Gallery
504 West 24th Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 火〜土曜 10:00〜18:00(予約制の来館も可)
- 見どころ
- 1975年作《Polar Bear》:杉本がアーティストとして最初に制作した作品
- 2025年に自然史博物館で再撮影した新作と、初めて拡大された旧ネガ
- 京都の職人による和紙のカラー屏風4点(Opticksに続く2度目の本格的カラー)
- 《Hunting Dogs》:1980年撮影、2025年に空のムラを調整





