展覧会 · Marian Goodman Gallery · Tribeca

エディット・デキント、マリアン・グッドマンで米国初の個展

ベルギーの作家エディット・デキントが、トライベッカのマリアン・グッドマン・ギャラリーで同画廊初の個展を開催。フォーゴ島とイビサ島に着想した3Dプリント、織物、映像など約25点を展示。10月24日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

エディット・デキント、マリアン・グッドマンで米国初の個展
Marian Goodman Gallery

エディット・デキントは1960年ベルギー・イーペル生まれ、ブリュッセル在住の作家です。映像、彫刻、インスタレーション、ドローイング、音、パフォーマンスと幅広い媒体を用い、物理的・化学的なプロセスを素材に施すことで、物の儚さや時間、光、空間の移ろいを浮かび上がらせてきました。ヴェネチア・ビエンナーレ(2017年)への参加のほか、ブルス・ドゥ・コメルス(ピノー・コレクション、2023年)、ビーレフェルト美術館(2025年)などで個展を開いています。本展はマリアン・グッドマン・ギャラリーでの初の個展で、会期は2026年9月10日から10月24日、会場はトライベッカの385ブロードウェイ2階の南北二つのギャラリーです。

展覧会の出発点は、オルダス・ハクスリーが1962年に発表した最後の小説『島』です。外界の力から守られた島社会という発想を軸に、島を「凝縮の場」として捉えます。境界のある島では、物質や物語、実践の循環が単純化されることなく見えてくる、という考えです。作家が滞在したのは、カナダ・ニューファンドランド沖のフォーゴ島と、スペインのイビサ島。前者では、土地と住民と芸術創作の互恵を土台に新しい経済・文化のモデルを探る共同体と出会い、後者には、芸術家や音楽家、クラブ文化を何世紀も引きつけてきた地質的かつ象徴的な磁力を見ています。

展示の中心は、フォーゴ島の漁網用ロープをガラスと融合させたヴィトリン作品《Mesopelagic》《Bathypelagic》《Neritic》です。オリーブ、松、石化木、バルサ材、羊の毛皮の上に、アルゴリズムで生成した3Dプリントが伸びる彫刻も並びます。《Wisdom of the Other Shore》は砂の3Dプリントで、蜃気楼や失われたユートピアを思わせます。フォーゴ島で見つけた船の敷物を複製した大型タペストリー《The Water Sizzling at the Prow》(232×334cm)や、イビサの地中に数か月埋められた布《Underground Santa Agnès de Corona》(450×315cm)は、素材が経た時間をそのまま記録しています。

映像作品《Animal Methods》(2024年)は、イビサの外来種が在来の動物に与える影響の調査から生まれました。蛇の抜け殻が風になびく旗となり、白旗の平和なイメージと対比されながら、動物と人間のふるまいの入れ替わりを問います。ほかに、浜辺で集めた化学廃棄物を石や貝、珊瑚のように保存した《It Could Be Very Fresh and Clear》、蝶のメラニンを収めた《A Barrage of Blue and Sulphur Butterflies》、釉薬を施した陶作品なども出品されます。

北大西洋と地中海という離れた二つの地域は、ここで階層なく呼応します。作家は土地を描写するのではなく、素材と歴史、身振りと風景、物とそれが可能にする生命のあいだを走る微細な力を感じ取らせようとします。なお、2026年10月からはブリュッセルのボザールで、バレンシアガのアーカイブ衣装と作品を組み合わせた展覧会も予定されています。開廊は火曜から土曜の10時から18時です。

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状況
まもなく終了
会期
9月10日 – 10月24日
作家
Edith Dekyndt
会場
Marian Goodman Gallery
385 Broadway, New York, NY
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開館時間
火〜土曜 10:00〜18:00
見どころ
  • フォーゴ島の漁網ロープとガラスを融合させた《Mesopelagic》《Bathypelagic》《Neritic》
  • イビサ島の地中に埋められた布《Underground Santa Agnès de Corona》(450×315cm)
  • 蛇の抜け殻を旗に見立てた映像《Animal Methods》(2024年)
  • 石化木やオリーブ材に3Dプリントを重ねた彫刻群