展覧会 · Marian Goodman Gallery · Tribeca

トニー・クラッグ、マリアン・グッドマンで新作彫刻展

英国出身の彫刻家トニー・クラッグが、トライベッカのマリアン・グッドマン・ギャラリーで新作展を開催。ブロンズ、木、石、コルテン鋼の彫刻を3フロアで展示する。会期は10月24日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

トニー・クラッグ、マリアン・グッドマンで新作彫刻展
Marian Goodman Gallery

マリアン・グッドマン・ギャラリーのトライベッカ会場で、英国の彫刻家トニー・クラッグの個展が開かれている。同ギャラリーでの個展は通算17回目、この会場では初めてとなる。ブロンズ、木、石、鋼を用いた新作が並び、会期は2026年10月24日まで。

クラッグは1949年リヴァプール生まれで、1977年からドイツ・ヴッパタール在住。1988年にヴェネチア・ビエンナーレ英国代表を務め、同年にターナー賞を受賞した。2007年には高松宮殿下記念世界文化賞ではなく、東京で授与される「プレミアム・インペリアーレ(Praemium Imperiale)」を受けている。2016年にナイト爵位、今年は欧州文化賞を受け、9月4日にアムステルダムのコンセルトヘボウで顕彰された。2009年から13年までデュッセルドルフ芸術アカデミーの学長も務めた。

入口で来場者を迎えるのは、2018年のブロンズ《Versus》。楕円形の要素が揺れ動くように連なる作品で、展覧会全体の主題を予告する。1階のギャラリーには、コルテン鋼の《Path》(2026)と《Recall》(2025)が立つ。《Path》は噴水、滝、道といった複数のイメージを重ねて読める作品だ。三脚状の脚で立つ《Stand》3点は、胴体にも断崖にも見える形で、彫り上げた原型から鋳造されている。ブロンズの《Over the Earth》(2026)は、筋肉質の形が頭上へ大きく広がり、翼や腕、枝を思わせる。木の大作《Stack》は、1970年代初頭の初期作から続く「積層」の手法を引き継ぎ、成長や時間の経過を示す。

3階では、軸線のドローイングを鏡写しにして柱状の形を導いた《Symmetries》が中心となる。人体のように見えるが、人体の再現を目指したものではないという。異なる形を融合させる発想は、石の《Integers》にもつながる。《Masks》は、2つのヤヌス仮面を滑り込ませるように重ねた作品で、もとは劇場のプロジェクトから生まれた。ボグオークや石で制作され、重なった顔が不協和と調和のあいだで揺れる。

コルテン鋼の《Incident》は、板や棒といった工業規格の素材で作る鋼の彫刻とは異なり、彫刻から鋳造される。重力に逆らうような軽やかな姿が特徴だ。木の《Eclipse》は見る角度によって具象と抽象のあいだを行き来する。ブロンズの《Stroke》は、ロイ・リキテンスタインの筆触の絵に由来する題名を持ち、制作過程とクラッグの自在なドローイングを結びつける。

会場は385 Broadway。火〜土曜の10時から18時まで開いている。

周辺の地図を見る →
状況
まもなく終了
会期
9月10日 – 10月24日
作家
Tony Cragg
会場
Marian Goodman Gallery
385 Broadway, New York, NY
Google マップで開く
開館時間
火〜土 10:00〜18:00
見どころ
  • 入口に立つブロンズ《Versus》(2018)が展示の導入
  • コルテン鋼の《Path》《Recall》と三脚で立つ《Stand》3点
  • 3階の《Symmetries》《Masks》《Eclipse》など鏡像と重なりの作品群
  • ロイ・リキテンスタインの絵に由来する題名のブロンズ《Stroke》