展覧会 · Miguel Abreu Gallery · Chinatown
アイリーン・クインラン個展「Line Call」ミゲル・アブレウ・ギャラリー
写真家アイリーン・クインランの同ギャラリーで8度目となる個展。20年にわたる作品に、家族や友人、身近な空間を写した初公開のスナップと鏡面プリントの新作を交え、「線」をめぐる記憶のドラマを見せる。10月31日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

アイリーン・クインランは1972年ボストン生まれの写真家で、2005年にコロンビア大学でMFAを取得しました。2009年にボストン現代美術館(ICA)で初の美術館個展を開き、2019年にはデュッセルドルフのライン・ヴェストファーレン美術協会で初の回顧的な個展「Wait For It」を開催。ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ホイットニー美術館、グッゲンハイム美術館など多くの美術館に作品が収蔵されています。2017年のヴェネチア・ビエンナーレにも参加しました。
「Line Call」は、同ギャラリーでの8度目の個展です。展示される写真は20年分に及び、過去の作品が新作と並ぶことで新たな役割を与えられます。新作には友人や家族、親密な空間を写したスナップ写真が含まれ、これらは加工を施さず、そのままプリントしてマウントされています。画像を強く加工するデジタル作品と対をなし、写真が「捉えて保存する」という期待を担う一方で、不安定さや変化、劣化を抱えるものでもあることを示します。
もう一つの軸が「線」です。線は輪郭をなぞることもあれば、偶然現れるだけのこともあり、不在を知らせたり、フレームの外へ視線を導いたりします。最新作は鏡の上にUVインクジェットで印刷され、画像が枠からあふれ出すように見えます。
作品ごとにアーティスト自身のメモが添えられているのも特徴です。《First Day》は、毎年の入学初日に子どもを波板のファサードの前で撮ってきた習慣から、娘を携帯電話で撮った一枚で、トリミングしていません。《Brother Feud》は、コロナ禍にロングアイランド北部のブドウ園で、仲違いした兄弟の土地を分ける錆びた柵を撮ったもので、期限切れのフィルムが画面をピンク色にしました。《Cheyney's Studio with Gremlins》や《Withers Demo》は、1999年から使い、2024年に取り壊されたウィリアムズバーグのスタジオを記録しています。《Survivor Moon》はテレビ番組の画面を撮影した連作で、《Silent Passage》は卵をスキャナーで割って撮るシリーズの新作です。
《Mormon Hollow Tangle》は、スタジオメイトのB. マクリスターと共作した9枚組のパネルで、レーザー彫刻機で廃車の内部写真を塗装の層に焼き付けています。《Swipe Set (Egg Rock)》は感光しなかった旧式ポラロイドのネガから生まれた偶然の画像です。
会場はチャイナタウンのエルドリッジ・ストリート88番地。開館は火曜から土曜の10時から18時で、会期は10月31日までです。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 9月10日 – 10月31日
- 作家
- Eileen Quinlan, B. McLister
- 会場
- Miguel Abreu Gallery
88 Eldridge Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 火〜土 10:00〜18:00(予約制でも可)
- 見どころ
- 《First Day》:携帯電話で撮った娘の写真をトリミングせずに展示
- 《Mormon Hollow Tangle》:B. マクリスターとの共作、レーザー彫刻による9枚組パネル
- 《Swipe Set (Egg Rock)》:感光しなかったポラロイドネガから生まれた偶然の画像
- 鏡面にUVインクジェットで印刷した新作群





