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NYチャイナタウンのナラ・ロエスラー、ヴィック・ムニーズ企画「the other」

ブラジルの画廊ナラ・ロエスラーのNY店で11月5日から、ヴィック・ムニーズ企画のグループ展「the other」が開幕。大岛ではなく草間…ではなく、大田福子でもなく、オオタケ・トミエら20人超が「他者の視点」を巡る作品を並べる。

文・NBT編集部 · 2026-10-31

NYチャイナタウンのナラ・ロエスラー、ヴィック・ムニーズ企画「the other」
Vik Muniz, Vik (série Imagens de revista), 2003/2006, impressão jato de tinta em papel archival, ed 1/6 + 4 PA, duas peças de 69,1 x 50,8 cm (cada) — Nara Roesler

ブラジル発の画廊ナラ・ロエスラーのニューヨーク店が、11月5日から2027年1月9日まで、グループ展「the other」を開く。企画はブラジル出身のアーティスト、ヴィック・ムニーズ。ナラ・ロエスラーが画廊として歩み始めて50年になる記念企画の締めくくりにあたる。

出品作家はアントニオ・ディアス、ジュリオ・ル・パルク、大竹富江(トミエ・オオタケ)、ダニエル・ビュレン、リチャード・ロング、シーラ・ヒックス、ハインツ・マック、アイザック・ジュリアン、JR、カオ・ギマランエス、ジョナタス・デ・アンドラーデ、アメリア・トレド、カルリート・カルヴァーリョス、マルコ・マッジ、アレクサンドル・アレチェア、グザヴィエ・ヴェイヤン、アンジェロ・ヴェノーザ、ノット・ヴィタル、マリア・クラビン、マルコ・A・カスティージョ、ホセ・ダヴィラ、そしてムニーズ本人。年代も表現も異なる作家が並ぶ。

出発点は、ロシアの思想家ミハイル・バフチンの「視の過剰」という考えだ。人は他人について、本人には見えない部分を見ている。ムニーズはこれを制作に重ね、作品の意味が作者の意図を超えて、見る人の経験によっても決まると捉える。砂糖やチョコレート、廃棄物で既知のイメージを作り、撮影してきた彼の仕事とつながる視点である。ムニーズは2012年に光学的な錯視を扱う「Buzz」、2018年にはルーカス・ブラロック、バーニー・クーロクと「Screenspace」を同画廊で企画している。

作品では、ディアスの《Black Mirror》(1968)が、化粧板を張った木で黒い物体を作り、映り込みをぼかす。マッジの《Global Myopia (Parking Mirror)》(2010)は凸面鏡に切り込みを入れて像に介入する。トレドの《Mundo de espelho》(1966)は、切り抜いて穴を開けたステンレス6枚で周囲の像を分断し増殖させる。デ・アンドラーデの《Senhorio, por Reginaldo》(シリーズ「Eu, mestiço」、2017)は肖像と文章を組み合わせ、社会的・人種的な通念が人の見え方を左右する様子を扱う。ギマランエスの《Retroatos #01》(1998/2016)は20点の写真で構成される。

ほかにムニーズの雑誌のイメージのシリーズ、ジュリアンのリナ・ボ・バルディを扱う写真、JRの《Hands, composition #7》(2022)、クラビンの油彩《Costela de Adão》(2022)なども出る。

ブラジルの画廊がニューヨークにあるという立場も主題に重なる。ムニーズは、異国の文脈に置かれた存在であることに触れている。ジュリア・クリステヴァの他者論を踏まえ、他者を自分と違う人としてだけでなく、自分の中でまだ認識していないものとして考える展覧会だ。

場所

Google マップで開く公式ページ

会期

11月5日 – 1月9日これから

作家

Vik Muniz (curator), Antonio Dias, Julio Le Parc, Tomie Ohtake, Daniel Buren, Richard Long, Sheila Hicks, Heinz Mack, Isaac Julien, JR, Cao Guimarães, Jonathas de Andrade, Amelia Toledo, Carlito Carvalhosa, Marco Maggi, Alexandre Arrechea, Xavier Veilhan, Angelo Venosa, Not Vital, Maria Klabin, Marco A. Castillo, Jose Dávila
見どころ
  • 大竹富江(トミエ・オオタケ)ら20人超が参加するグループ展
  • アントニオ・ディアス《Black Mirror》(1968)など、鏡と映り込みを扱う作品
  • ジョナタス・デ・アンドラーデ《Senhorio, por Reginaldo》(2017)の肖像と文章
  • JR《Hands, composition #7》(2022)とマリア・クラビンの油彩