展覧会 · Salon 94 · Upper East Side

アンシア・ハミルトン「Comfort Zones」サロン94で米国初のギャラリー個展

ロンドン生まれのアンシア・ハミルトンが、アッパー・イースト・サイドのSalon 94で米国初のギャラリー個展を開催。脚、ブーツ、カボチャ、蝶、レンガを小さなスケールと手仕事で再構成する。10月24日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

アンシア・ハミルトン「Comfort Zones」サロン94で米国初のギャラリー個展
Salon 94

アッパー・イースト・サイドのギャラリーSalon 94で、ロンドン出身のアンシア・ハミルトンによる個展「Comfort Zones」が開かれている。米国のギャラリーでは初の個展で、会期は2026年10月24日まで。

ハミルトンは1978年ロンドン生まれ、現在もロンドンを拠点とする。ジャマイカとフィリピンにルーツを持ち、彫刻、インスタレーション、イメージ、建築、ファッション、デザインを横断して制作してきた。2015年にはSculptureCenterでの米国初の美術館個展「Lichen! Libido! Chastity!」で、ガエターノ・ペッセが1972年に提案しながら実現しなかったマンハッタンの超高層ビル入口を、高さ約5.5メートル(18フィート)の作品として立ち上げている。

今回は、脚、ブーツ、カボチャ、蝶、レンガという彼女の「署名」とも言えるモチーフに立ち返り、それを別の方向へ押し出す。展覧会の出発点は「出自が行き先を決めるわけではない」という考え方だ。ロンドンもジャマイカもフィリピンもニューヨークも地続きである、と作家は捉える。

カボチャはロンドンで手彫りし、革で覆って彩色したもの。緑の大きなものが2点、持ち運べるほど小さな黄色が1点ある。ブーツ2足は、通常は小さな装飾部分に使われる「卵殻(らんかく)」の技法で、無数の卵の殻片に覆われている。ローマのアリーチェ・リヴァルタと協働した。脚の形をした椅子2脚はレンガで覆われ、一方はレーザーカットしたアルミのユニットを一つずつ研磨して手で貼り、もう一方は黄色いレンガにスタジオの資料やレンズ豆入りの筒が添えられる。ペッセの「エアポート・ランプ」に基づく脚の椅子は、椅子でありランプでもある。

布製の蝶は表面をデジタルプリントし、制作の手間は目に触れにくい裏側に積み重なる。モチーフはすべてニューヨークに生息する種で、英国やジャマイカ、フィリピンの蝶は意図的に選ばなかった。アール・ヌーヴォーの歴史的な品々も並び、様式が土地を越えて移り、吸収される過程を示す。

本展は館内の関連2展と並行する。1階はハミルトンがペッセのアーカイブを構成した「A Chair Is A Nest, Is A Foot, Is A…」、3階はブルックリン・ネイビーヤードのペッセの工房を再構成した「Gaetano Pesce Studio: Continued」。3フロアで二人の作家の視線が重なる。

開館は水〜土曜の11時から18時。住所は3 East 89th Street。

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状況
まもなく終了
会期
9月16日 – 10月24日
作家
Anthea Hamilton
会場
Salon 94
3 East 89th Street, New York, NY
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開館時間
水〜土曜 11:00〜18:00
見どころ
  • 手彫りの革張りカボチャ:緑の大型2点と持ち運べる黄色の小型1点
  • 卵殻技法「らんかく」で覆われた赤いブーツ2足
  • レンガで覆われた脚の形の椅子と、ペッセ「エアポート・ランプ」に基づく椅子
  • ニューヨークに生息する種のみを描いた布製の蝶