展覧会 · Sean Kelly · Hell's Kitchen

アンソニー・マッコール、ショーン・ケリーで「ソリッド・ライト」展

光を彫刻に変えたアンソニー・マッコールの個展がヘルズ・キッチンのショーン・ケリーで開催中。1973年の代表作から新作《Swarm》まで、50年以上にわたるソリッド・ライト3作品を紹介する。10月31日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

アンソニー・マッコール、ショーン・ケリーで「ソリッド・ライト」展
Installation View of Anthony McCall: Solid Light, 1973, 2020, 2026 at Sean Kelly, New York, September 11 – October 31, 2026, Photography: Adam Reich, New York, Courtesy: Sean Kelly, New York — Sean Kelly

ヘルズ・キッチンのギャラリー、ショーン・ケリーで、アンソニー・マッコールの個展「Solid Light, 1973, 2020, 2026」が開かれている。同ギャラリーでの7回目の個展で、会期は2026年10月31日まで。展覧会名のとおり、1973年、2020年、2026年に制作された3作品を通して、50年以上に及ぶ「ソリッド・ライト」の展開をたどる構成だ。

マッコールは、光と映像を扱う作家のなかでも特に影響力の大きい一人とされる。1960年代末から70年代初頭にかけてロンドンとニューヨークの前衛映画のコミュニティから登場し、物語映画の約束事を退けて、映画そのものの本質的な条件を探った。その成果が、投影された光を彫刻的な形に変える「ソリッド・ライト」のインスタレーションである。観客はスクリーンを眺めるのではなく、光の中に入り、歩き回り、その内側に身を置く。1990年代以降は技術の進歩によってより複雑な作品も可能になったが、知覚、時間、身体と空間の関係という関心は一貫している。

1973年の《Line Describing a Cone》は、同ギャラリーでの初めての展示となる。16ミリ・フィルムによる30分の作品で、ひとつの線が少しずつ円を描き、霧の満ちた部屋の中に光の円錐が立ち上がっていく。20世紀のインスタレーション美術を代表する作品とされ、多くの美術館に収蔵されている。

2026年の新作《Swarm》は本展で初公開される。日常に存在感を増すドローンに着想を得た作品で、2つの円錐状の光が15分のあいだ、時計回りと反時計回りに互いに逆向きにゆっくり回転する。デヴィッド・グラブスによるサウンドトラックは次第に強まっていき、マッコールとグラブスの協働の続きに位置づけられる。

2020年の《Skylight》は縦型の投影作品で、上から台座に向けて投影された光の円錐が、ゆっくりと形を変える。どの角度からも見ることができる。グラブスの音楽は、遠雷、稲光、降り続く雨によって、想像上の雷雨が近づき遠ざかる様子を思わせる。上映時間は16分のループ。

マッコールはテート・モダン、ビルバオ・グッゲンハイム、ポンピドゥー・センター、ハンブルガー・バーンホーフ、ブルックリンのパイオニア・ワークスなどで個展を開いており、作品はニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館、テートなどに収蔵されている。

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状況
開催中
会期
9月11日 – 10月31日
作家
Anthony McCall
会場
Sean Kelly
475 Tenth Avenue, New York, NY
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開館時間
火〜金 11:00–18:00、土 10:00–18:00
入場
Free
見どころ
  • 《Line Describing a Cone》(1973):16mmフィルム、30分。光の円錐が霧の中に立ち上がる代表作で、同ギャラリー初展示
  • 《Swarm》(2026):ドローンに着想を得た新作。逆回転する2つの光の円錐、15分ループ、本展で初公開
  • 《Skylight》(2020):縦型投影。雷雨を思わせるデヴィッド・グラブスの音楽つき、16分ループ
  • 光の中を歩き、位置を変えて眺める体験型の展示