展覧会 · Sean Kelly · Hell's Kitchen

ルーク・アガダ、ショーン・ケリーで初個展「When the Center Holds」

ナイジェリア出身でシカゴ在住のルーク・アガダが、ハドソンヤーズ近くのショーン・ケリーで同ギャラリー初の個展を開催中。新作の絵画とドローイングで、変動の時代に意味と帰属がどう保たれるかを問う。10月31日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

ルーク・アガダ、ショーン・ケリーで初個展「When the Center Holds」
Installation View of Luke Agada: When the Center Holds at Sean Kelly, New York, September 11 – October 31, 2026, Photography: Adam Reich, New York, Courtesy: Sean Kelly, New York — Sean Kelly

ナイジェリア出身の画家ルーク・アガダが、ニューヨークのギャラリー、ショーン・ケリーで同ギャラリーでは初めてとなる個展「When the Center Holds」を開いている。会期は2026年10月31日まで。新作の絵画とドローイングを通して、歴史や文化が大きく変わる時代に、意味や帰属意識がどのように持ちこたえるのかを探る展覧会だ。

アガダは1992年ラゴス生まれ。2023年にシカゴ美術館附属美術大学(SAIC)で絵画・ドローイングのMFAを取得し、現在はシカゴを拠点に活動している。フィラデルフィアのアフリカン・アメリカン・ミュージアム、ダラスのグリーン・ファミリー・アート・ファウンデーション、北京のハイヴ現代美術センター、ラゴスのアフリカン・アーティスツ・ファウンデーションなどのグループ展に参加してきた。2024年にはNewcity誌のBreakout Artistに選ばれ、2023年にはMASS MoCAのレジデンス、2025年にはカンヌのDragon Hill Residenceにも滞在している。

作品の核にあるのは、グローバル化、移住、ポストコロニアル思想を通して見るアイデンティティの変化だ。実体の薄い人物、断片化した建築、生物のような形が、特定の場所に結びつかない夢のような風景に現れる。記憶と想像のあいだにあるこれらの混成的な形は、歴史や文化、権力の体系を移動するなかで形づくられ続ける自己を映す。作家は、見慣れたモチーフから描き始め、絵具という素材と対話しながら、それを引き伸ばし、変形させ、重ね合わせていくと語っている。

タイトルは、イェイツの詩「再臨」にある「中心は保てない」という一節を踏まえたもの。アガダはその暗さをより楽観的に読み替え、中心を固定された権威の場ではなく、記憶が消されず、アイデンティティが翻訳を経ても生き延び、離散のなかでも帰属が保たれる、絶えず交渉される空間として捉える。身体は流動的な建築や風景に溶け、断片的な形は結びついては離れる。停滞は麻痺ではなく「生成の条件」として提示される。

出品作には、油彩の《Sing Over Me》(2026年、182.9×152.4cm)、同じ36×60インチの《Manoah I》《Manoah II》、最大級の《Of Tempest, Of Dreams》(182.9×213.4cm)、コットンキャンバスに木炭で描いた《Synapses No. 40》などがある。会場はハドソンヤーズにも近いチェルシー北西側、10番街475番地。開館は火〜金曜11時〜18時、土曜10時〜18時。

周辺の地図を見る →
状況
開催中
会期
9月11日 – 10月31日
作家
Luke Agada
会場
Sean Kelly
475 Tenth Avenue, New York, NY
Google マップで開く
開館時間
火〜金曜 11時〜18時、土曜 10時〜18時
見どころ
  • 《Of Tempest, Of Dreams》(2026):最大級の油彩、182.9×213.4cm
  • 《Manoah I》《Manoah II》:同サイズ36×60インチの対になる油彩
  • 《Synapses No. 40》:コットンキャンバスに木炭で描いたドローイング
  • イェイツ「再臨」の一節を楽観的に読み替えた展覧会タイトル