展覧会 · Whitney Museum of American Art · West Village
ホイットニー美術館「Untitled」(America)展 コレクションで辿る20世紀アメリカ美術
ホイットニー美術館7階で続く常設級のコレクション展。1900年代から80年代初頭までのアメリカ美術を、ホッパー、ウォーホル、ジョーンズ、草間彌生、イサム・ノグチらの作品で通覧し、「アメリカ」像の変遷を探ります。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

ホイットニー美術館の7階で、2025年7月5日から会期を定めず公開されているコレクション展です。所蔵品の代表作と近年の新収蔵作品を組み合わせ、1900年から1980年代初頭までのアメリカ美術の主要な考え方や手法を見渡します。出発点は同館が厚く収集してきた具象・写実の系譜で、そこから、風景や記憶との向き合い方、大衆文化と消費社会の台頭、マスメディアがもたらす魅惑と幻影、抽象が生む空間的・文化的な力学といった切り口へと進みます。
タイトルは、キューバ生まれの作家フェリックス・ゴンザレス=トレスの作品「Untitled」(America)(1994年)に由来します。電球を連ねた作品で、会場では窓辺に吊るされ、館内と外の世界をつなぐ通り道のように光を放ちます。作家は「アメリカ」を、夢見る場所であり、機会とリスク、正義と人種差別、飢えと過剰、喜びと成長が同居する場所だと記しました。展覧会はこの言葉を受け、作家たちがそれぞれの時代に何を見つめ、どんな新しい可能性を描いたのかをたどります。
展示作品の顔ぶれは幅広く、ホッパーの《Early Sunday Morning》(1930年)や《Seven A.M.》(1948年)、オキーフの《The White Calico Flower》(1931年)、ジャスパー・ジョーンズの《Three Flags》(1958年)、ウォーホルの《Ethel Scull 36 Times》(1963年)とグリーン・コカ・コーラ・ボトルズ(1962年)、バスキアの《Hollywood Africans》(1983年)などが並びます。ジェイコブ・ローレンスが1946〜47年に手がけた連作、アルマ・トーマスの《Mars Dust》(1972年)、ロスコと並ぶ抽象表現の作家たち、さらにベティ・サーやバークリー・L・ヘンドリックス、ケイ・ウォーキングスティックらの作品も含まれます。
日本の読者にとっての注目は、草間彌生とイサム・ノグチです。草間は1962年の《Air Mail Stickers》が出品され、渡米後のニューヨークでの初期制作を示します。ノグチは《Humpty Dumpty》(1946年)、《The Gunas》(1946年)、《Integral》(1959年)など複数点が一室にまとまり、彫刻の展開を一望できます。ナム・ジュン・パイクの《Magnet TV》(1965年)も見どころです。
企画は同館のチーフ・キュレーター、キム・コナティが、キュレトリアル・アシスタントのアントニア・ポコックと担当しました。展示はレナード・A・ローダー氏の追悼に捧げられています。ミュージアムは1930年、彫刻家で支援者のガートルード・ヴァンダービルト・ホイットニーが、存命作家を支える場として創設しました。その創設者の肖像(ロバート・ヘンライ作、1916年)も会場に掛かっています。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 7月5日
- 作家
- Felix Gonzalez-Torres, Jasper Johns, Andy Warhol, Edward Hopper, Georgia O'Keeffe, Jean-Michel Basquiat, Isamu Noguchi, Yayoi Kusama, Jacob Lawrence, Alma Thomas, Mark Rothko
- 会場
- Whitney Museum of American Art
99 Gansevoort Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 本日の開館時間:10:30〜22:00(7階、会期は継続中)
- 見どころ
- ゴンザレス=トレス「Untitled」(America)(1994年)が窓辺で館内と外の世界をつなぐ
- 草間彌生《Air Mail Stickers》(1962年)とイサム・ノグチの彫刻群
- ホッパー《Early Sunday Morning》、ジョーンズ《Three Flags》、ウォーホル《Ethel Scull 36 Times》
- ジェイコブ・ローレンスの1946〜47年の連作





