展覧会 · Whitney Museum of American Art · West Village
ミニー・エヴァンス回顧展、ホイットニー美術館で開催中
ノースカロライナ州ウィルミントン出身の幻視の画家ミニー・エヴァンスの回顧展が、ホイットニー美術館8階で2027年1月10日まで開催中。夢と幻視から生まれた天使や顔、文様の作品群を紹介する。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

ホイットニー美術館の8階で、20世紀アメリカの幻視の画家ミニー・エヴァンス(1892–1987)の回顧展「The Lost World: The Art of Minnie Evans」が開かれている。会期は2027年1月10日まで。ホイットニーでは1975年に個展を開いて以来、50年以上を経ての大規模な再紹介となる。
エヴァンスはノースカロライナ州ウィルミントンの生まれ。最初の絵を描いたのは1935年、敬愛していた祖母を亡くした後のことだった。以降、鮮やかな夢や幻視に導かれるように、鉛筆やクレヨンのドローイング、油彩、コラージュを数百点制作した。画面には、アフロ・カリブ系のルーツ、神話、宗教、大衆文化、装飾美術、そして故郷の自然が重なり合う。天使や空想上の生き物、こちらを見つめる顔、細密な文様が左右対称に満ちる構図は、調和と超越を感じさせる一方で、どこか落ち着かない気配も漂わせる。
タイトルの「失われた世界」は、聖書の大洪水以前に存在したとされる、守られた精神的な領域を指す、作家自身の言葉だ。展示は初期から晩年までの作品を、壁面ごとにまとまりをつけて見せる。1940年代の「Turnaround Picture」シリーズや昆虫・蝶の形をとった小品、1960年代の《Untitled (Face with Crown and Angels)》(1968年)や《Resurrection》(1960年)、エアリー・ガーデンズや海辺の風景から着想した作品、顔や天使を重ねたコラージュなどが並ぶ。壁の色が淡い青に変わる区画では、小さな作品が格子状に掛けられている。
エヴァンスは1960年代に評価が高まり、ウィルミントンとニューヨークの小規模なギャラリー展を経て、1969年に『ニューズウィーク』で紹介された。その後、美術館のグループ展が続き、1975年のホイットニー個展に至る。日常と神聖なものが溶け合う独特の視覚世界を、まとまった数で体験できる機会だ。
本展はアトランタのハイ美術館が企画し、同館のキャサリン・ジェントルソンがキュレーターを務めた。ホイットニーでの開催はバーバラ・ハスケルが、キャロライン・ウェッブとともに担当している。ホイットニーは本日10月16日も10時30分から22時まで開館しており、公式サイトでは音声ガイドも提供されている。10月28日にはメンバー向けの夜のイベント「Pop Party」も予定されている。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 8月22日 – 1月10日
- 作家
- Minnie Evans
- 会場
- Whitney Museum of American Art
99 Gansevoort Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 本日(10月16日)10:30〜22:00
- 見どころ
- 《Untitled (Face with Crown and Angels)》(1968)など、天使と顔が重なる代表的な構図
- 1940年代の「Turnaround Picture」シリーズと昆虫・蝶の小品
- エアリー・ガーデンズやウィルミントンの自然に着想した花や庭の作品
- 顔・天使・星空を重ねた1960年代のコラージュ





