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カルロス・ナザリオの自費出版本『Silver Lining』、NYのドーバー・ストリート・マーケットで刊行記念パネル
スタイリストのカルロス・ナザリオが4年かけて作った限定版の本『Silver Lining』。タイラー・ミッチェル、ピーター・ヒューゴらの写真、ソランジュとミン・スミスの対談、アマンダ・ゴーマンの詩を収める。光を当てると文字が現れる表紙。NYではキップスベイのDSMで10月23日に刊行記念パネルが企画された。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

スタイリストのカルロス・ナザリオが、構想から4年をかけた限定版のプリント出版物『Silver Lining』を2026年9月に刊行した。自費で独立出版した一冊で、写真、アート、文章を通して、美やアイデンティティ、文化、人間のありようを扱う。ニューヨークでは10月23日(金)午後4時から6時、キップスベイのドーバー・ストリート・マーケット(160 Lexington Avenue)で刊行記念のパネルが企画され、パロマ・エルセッサー、アレックス・コンサニ、ジャワラ・ウォーコープが登壇者として告知された。モデレーターはナザリオ本人。
ナザリオは自身のInstagramで、20年近く雑誌の現場で仕事をしてきたと振り返っている。伝説的な雑誌や編集者と組んで学んできた一方で、自分が惹かれる人や題材を、自分が感じたとおりのかたちで探る場をずっと求めていたという。動かされ、揺さぶられ、ものの見方を変えられてきた写真家、アーティスト、書き手、思想家を一冊に集め、「ある時代を留めておけるもの」を作ろうとしたのが始まりだ。
書名はジョン・ミルトンの詩の一節、黒い雲が夜に「銀の裏地」を見せる場面から取られた。暗い形の縁を明るい光がなぞる現象のことで、ナザリオは「闇の中に光を探す」という考えが好きだったと書いている。装丁はフェルディナンド・ヴェルデリ。白い表紙の文字は、光に当てたときに初めて浮かび上がる仕掛けになっている。
参加者の顔ぶれは厚い。写真のエッセイはデイヴィッド・シムズ、タイラー・ミッチェル、ジャック・デイヴィソン、オリバー・ハドリー・ピアーチ、ピーター・ヒューゴ、タデ・コマール、ルイス・アルベルト・ロドリゲス、ハーレー・ウィア、ガブリエル・モーゼス。アレックス・コンサニ、アノック・ヤイ、パロマ・エルセッサー、ヴィットーリア・チェレッティも写真エッセイで参加する。対談はミン・スミスとソランジュ・ノウルズ、アーサー・ジャファとエリカ・バドゥ、ナザリオとエフナ・プラザ=メリット。ローレン・ハルジー、ネイト・ローマン、デリック・アダムスの作品、アマンダ・ゴーマンの詩、キャリー・メイ・ウィームズの新作ビジュアルシリーズ「Preach」も収められている。
刊行後、ナザリオは収録作を一つずつ紹介している。ルイス・アルベルト・ロドリゲスと4年かけた「Beautiful Black Men」は、黒人男性の身体をモノクロームで撮ったシリーズだ。押し付けられた男らしさから離れ、柔らかく、弱さを見せ、抱きしめ抱きしめられる存在として撮ることを目指したといい、ナザリオ自身もこの過程で自分の身体への敬意を取り戻したと書いている。

タイラー・ミッチェルとの「In Time」は、若さの短さと、何でもできる気がした時期の儚い美しさを主題にする。二人は長年、若い黒人を尊厳と優しさと楽観をもって描く方法を探ってきたという。オリバー・ハドリー・ピアーチとの「Los Borinqueños」では、ナザリオの故郷プエルトリコで家族や旧友、新しい友人と1週間を過ごした。「新しい家族に古い家族を見せ、美しい島を紹介したかった」と書いている。


ピーター・ヒューゴはムンバイで、ヒジュラのコミュニティの人々を撮った。インドで「第三の性」として法的に認められ、何世紀もの歴史を持つ人々で、本ではジェリー・ジョンソンによる文章「An Architecture of Survival」が添えられている。ナザリオは、彼らの思いやりと深い家族の感覚に心を打たれたと振り返る。ガブリエル・モーゼスとの「Bureau of Imagination」は、フランとアレックスによる新しいプロジェクトBOIの最初の手仕事の作品を、ナザリオの好きなモデルたちに着せて撮ったものだ。


10月上旬にはパリのサンタンブロースで、家族や友人と刊行を祝う会が開かれた。ナザリオは予約販売の窓口としてGourmet Delicoを案内している。ニューヨークでの発表の場に選ばれたドーバー・ストリート・マーケットは、コム デ ギャルソンの川久保玲が手がける複合店で、東京・銀座にも店舗がある。ファッションと写真、アート、文学が交わるこの本にふさわしい会場だった。
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