展覧会 · Upper East Side

NYアッパー・イースト・サイドで、ドリス・サルセド展 髪の「家」と米の器

コロンビアの美術家ドリス・サルセドが、マディソン・アベニューのホワイトキューブ・ニューヨークで新作展を開催。人毛で編んだ巨大な「House」と、米と髪の器47点を展示する。会期は11月13日から2027年1月16日まで。

文・NBT編集部 · 2026-11-05

NYアッパー・イースト・サイドで、ドリス・サルセド展 髪の「家」と米の器
Image: White Cube (New York)

コロンビア・ボゴタ出身の美術家ドリス・サルセド(1958年生まれ)が、アッパー・イースト・サイドのホワイトキューブ・ニューヨークで新作展を開く。会期は2026年11月13日から2027年1月16日まで。2015年にシカゴ現代美術館で始まり、ニューヨークのグッゲンハイム美術館とマイアミのペレス美術館を巡回した米国回顧展以来、ニューヨークでは初の大規模な展覧会となる。

展示の中心は、人毛でつくられた「House」(2023–26)。一本一本の髪を結び、織り上げた記念碑的でありながら透けるような構造物だ。2023年のシャルジャ・ビエンナーレで発表され、気候危機による移住を扱った受賞作「Uprooted」(2020–22)の主題を引き継ぐ。作家は「家を失うことは、屋根や建物を失うこと以上に、人生の中心的な柱を壊滅的に失うことだ」と語る。

もう一方のフロアには「Grains of Sorrow」(2023–26)が並ぶ。米と人毛だけでつくられた47点の器が、床に置かれて展示される。今日も戦争の武器として用いられる人為的な飢餓、その非人間化に対抗するための小さな彫刻群だという。

2点はいずれも3年をかけ、多くの手によって制作された。綿密な手仕事は、犠牲者の尊厳を取り戻そうとする献身の行為でもある。作家はこの方法を、近代経済を支えながら見過ごされがちなグローバル・サウスの労働になぞらえる。「集団の声は孤独な独唱よりずっと強い。合唱のようになり、非常に力強い」という言葉通り、協働は制作そのものと「反記念碑」の精神の核にある。

関連書籍として、6人の執筆者による新規エッセイを収めた『Doris Salcedo: Acts (an anthology)』がホワイトキューブのサイトで予約受付中。会場はマディソン・アベニュー1002番地。

場所

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会期

11月13日(金)〜2027年1月16日(土)