展覧会 · Ippodo Gallery · Tribeca

染谷香理、一歩堂ギャラリーで個展「The Light Within」

トライベッカの一歩堂ギャラリーで、日本画家・染谷香理が同ギャラリー初の個展を開催中。裏箔の技法で着物姿の女性像を描く新作12点以上と、琳派に着想を得た屏風を紹介する。会期は10月17日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

染谷香理、一歩堂ギャラリーで個展「The Light Within」
Ippodo Gallery

トライベッカのノース・ムーア・ストリートにある一歩堂ギャラリーで、日本画家・染谷香理の個展「The Light Within」が開かれている。同ギャラリーでは初の個展で、会期は2026年10月17日まで。最終週にあたる。

染谷は1977年島根県生まれ、東京を拠点に活動する。東京藝術大学で日本画を学び、文化財保存学の修士号も取得。同大学で非常勤講師、研究助手、助教を務めた。院展ではなく「INTEN」の名で知られる公募展で複数の賞を受け、足立美術館、今井美術館、新見美術館に作品が収蔵されている。

展示の中心は、裏箔(うらはく)の技法による新作の日本画12点以上。透ける美濃和紙の裏に金、銀、プラチナの箔を施し、光がにじむように画面の内側から輝く。着物をまとった女性の肖像は、穏やかさとあきらめのあいだにある表情で描かれ、社会からの圧力と、自分の信念やアイデンティティを守りたい気持ちとの緊張を映す。作家は、裏箔の着物を人物の内なる強さと周囲の空間を照らす「内なる光」と位置づけている。

主要作は屏風で、尾形光琳の「紅白梅図」に着想を得た作品などが並ぶ。《四季遷衣図》(2026)は金箔・銀箔・岩絵具・染料を用いた二曲一双の屏風、《徐行漸進》(2026)は銀箔とプラチナ粉による四曲屏風。そのほか《帰還》《萌生の庭》《花宵》《倒景》《春日行進》《慈雨》《秋聲》《光翔》といった2025〜26年の作品、2017年の《誰が袖―追い風》も出品される。

着物の文様には亡き母の手仕事に由来するものがあり、「人生の背景」として内面の世界を可視化する。一つの連続した場面に複数の時間を描く古典技法「異時同図法」を用い、喪失と再生の感情を一枚の静止画に込める。絵具は群青や緑青などの鉱物、臙脂や藍の染料、貝殻、膠から作る。異なる素材やテーマを調和させる「調和の美」が日本画の魅力だと作家は語る。

作品は一部、ブルックリンでのアーティスト・イン・レジデンスの期間中に制作された。ニューヨーク滞在は二度目で、この街を「新しい見方」を与えてくれる場所と述べている。日本の伝統技法が現代の女性像とニューヨークの視点にどう結びつくかを見られる展覧会だ。

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状況
まもなく終了
会期
9月10日 – 10月17日
作家
Kaori Someya
会場
Ippodo Gallery
35 North Moore Street, New York, NY
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見どころ
  • 二曲一双の屏風《四季遷衣図》(2026)
  • 銀箔とプラチナ粉による四曲屏風《徐行漸進》(2026)
  • 尾形光琳《紅白梅図》に着想を得た屏風
  • 亡き母の手仕事に由来する着物の文様