展覧会 · Norr Cohan · Tribeca
イラナ・サヴディとシャイム・スーチン、ノー・コーハンで二人展
トライベッカのNorr Cohanで、1893年生まれのシャイム・スーチンと1986年生まれのイラナ・サヴディの絵画を並べる初の二人展。10月24日まで、火〜土曜の10時から18時に開く。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

トライベッカのウォーカー・ストリート48番地にあるNorr Cohanで、「Savdie / Soutine」が10月24日まで開かれている。エコール・ド・パリを代表する画家シャイム・スーチン(1893–1943)の絵画と、ブルックリン在住のイラナ・サヴディ(1986年生まれ)の新作を組み合わせた、これまでにない二人展だ。約100年の隔たりがある二人は、描く対象の不安定さそのものを作品の中身にしている点で通じ合う。
スーチンはベラルーシのスミラヴィチに、貧しい家の10番目の子として生まれた。1913年にパリへ出て、モンパルナスの亡命芸術家たちのなかで制作した。仲間にはシャガール、モディリアーニ、リプシッツがいる。モディリアーニの紹介で画商レオポルド・ズボロフスキと出会い、セレ時代に入る。ズボロフスキはアルバート・バーンズへの紹介にも動いた。厚く荒々しい絵具の層と歪んだ形で、見た目の正確さより心理的な強度を追った。生前に作品が展示される機会は少なく、自ら古い画面を描き直し、壊すこともあった。1943年、ドイツ占領下で身を隠すなかで悪化した胃潰瘍の手術後に亡くなった。のちに戦後表現主義の重要な先駆者と評価されている。
サヴディはマイアミ生まれで、マイアミとコロンビアを行き来して育った。大画面の絵画で、パフォーマンス、過剰、生存、逸脱といった主題を扱う。ホイットニー美術館で個展「Radical Contractions」、ホワイト・キューブ・ニューヨークで「Glottal Stop」を開いた。2025年のクリエイティブ・キャピタル賞を受け、JFK空港ターミナル1のパブリックアートを手がけている。グッゲンハイム、メトロポリタン美術館、ポンピドゥー・センター、ハマー美術館、サンフランシスコ近代美術館、ボストン美術館、フィラデルフィア美術館などが作品を収蔵する。ジェスチャーの筆致にグラデーションや半透明の層を重ね、画面の質感にスクリーンの言語がにじむ。
展覧会の軸は、二つの画面に共通する身体の扱いにある。スーチンでは肖像も肉の塊も風景も、同じ一つの力に揺さぶられる。サヴディでは人物と背景の境がゆるみ、身体とそれを取り巻く空間が見分けられなくなる。飽和した色、破れた輪郭、意図的な変形によって、像は似姿から感覚のほうへ引き寄せられる。二人を並べることで、従来の再現的な描写では収まらない、危うく逸脱的な身体のあり方が見えてくる。
開館は火〜土曜の10時から18時。会場は雑居する通り沿いのギャラリーで、同じウォーカー・ストリートの52番地2階にも同ギャラリーのスペースがある。会期は残りわずかなので、足を運ぶなら早めに。
- 状況
- まもなく終了
- 会期
- 9月10日 – 10月24日
- 作家
- Ilana Savdie, Chaïm Soutine
- 会場
- Norr Cohan
48 Walker Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 火〜土曜 10:00〜18:00
- 見どころ
- スーチンの厚塗りの絵画と、サヴディの新作を同じ空間で見られる初の二人展
- 肖像・肉塊・風景を同じ激しさで描くスーチンと、人物と背景の境が溶けるサヴディの対比
- 会期は10月24日まで、火〜土曜10時〜18時





