展覧会 · Whitney Museum of American Art · West Village

アレックス・ダ・コルテ、ホイットニー美術館向かいに巨大ビルボード

アレックス・ダ・コルテが、リキテンスタインの《Hot Dog》の印刷物にケチャップを塗った作品を、ホイットニー美術館向かいのガンズヴォート通りの壁面に巨大ビルボードとして展示。2027年5月10日まで。

文・NBT編集部 · 2026-10-16

アレックス・ダ・コルテ、ホイットニー美術館向かいに巨大ビルボード
Alex Da Corte, Hot Dog with Ketchup, 2026. Inkjet on vinyl, 17 × 29 ft. (5.2 × 8.8 m). Courtesy of the artist, Matthew Marks Gallery, New York and Los Angeles, and Sadie Coles HQ, London. © Alex Da Corte — Whitney Museum of American Art

ホイットニー美術館の向かい、ハイラインにも面したガンズヴォート通りの建物外壁に、巨大なホットドッグが現れている。アレックス・ダ・コルテの《Hot Dog with Ketchup》(2026年)で、サイズは約5.2×8.8メートル(17×29フィート)。素材はビニールにインクジェット印刷。会期は2027年5月10日までで、美術館に入らなくても通りから見られる屋外プロジェクトだ。

出発点はロイ・リキテンスタインの絵画《Hot Dog》(1963年)。ダ・コルテはその印刷物の上に、ケチャップを大きくうねらせるように塗り広げた。ふざけた行為に見えるが、ジャクソン・ポロックのアクション・ペインティングを思わせる身体的な筆致でもある。ポップ・アートの冷ややかな商業イメージと、抽象表現主義の「英雄的な一筆」が、ひとつの画面でぶつかり合う。リキテンスタイン自身も1963〜64年に《Hot Dog with Mustard》など同じ題材を繰り返し描いている。

ダ・コルテにとって、既存の図像を演劇的に変形させ、見慣れたものを奇妙に見せることは制作の中心にある。本作では美術史を遠くから眺めるのではなく、食欲や欲望、遊びの領域へ引き込む。複製に触れて汚すことで、イメージが落ち着かなくなる。また、この作品は通りの向かいにいるホットドッグの屋台への目配せでもあり、美術史のやりとりを街の日常へ戻す試みになっている。

ダ・コルテは1980年ニュージャージー州カムデン生まれのベネズエラ系アメリカ人アーティストで、フィラデルフィア在住。フォートワースのModern Art Museum、金沢の21世紀美術館(「Fresh Hell」)、デンマークのルイジアナ近代美術館(「Mr. Remember」)で大規模な個展を開いた。ホイットニー・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレ、カーネギー・インターナショナル、メトロポリタン美術館のルーフガーデン・コミッションにも参加している。2023年にはローマ賞のフィリップ・ガストン・フェローを務め、マリソルやエルズワース・ケリーの展覧会カタログに長文のエッセイも寄せた。日本の金沢で展覧会を行った経歴がある点は、日本の読者にも親しみやすいだろう。

本作は、10月11日にホイットニーで開幕した「Roy Lichtenstein: Like New」に合わせた企画。同展はダ・コルテとメグ・オンリー(同館キュレーター)が共同で手がけ、ニューヨークの美術館でのリキテンスタインの大規模展としては30年以上ぶりとなる。関連プログラムとして、10月29日午後6時30分から「Walter Annenberg Lecture: Alex Da Corte」が開かれる。

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状況
開催中
会期
〜5月10日
作家
Alex Da Corte
会場
Whitney Museum of American Art
99 Gansevoort Street, New York, NY
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開館時間
ホイットニー美術館は本日10:30〜22:00開館
見どころ
  • 《Hot Dog with Ketchup》(2026年)、17×29フィートのビニール印刷
  • リキテンスタイン《Hot Dog》(1963年)の印刷物にケチャップを塗った作品
  • 10月29日午後6時30分、ウォルター・アネンバーグ講演にダ・コルテが登壇
  • 「Roy Lichtenstein: Like New」と併せて見られる