展覧会 · Whitney Museum of American Art · West Village
ロイ・リキテンスタイン「1997」展、ホイットニー美術館で開催
ホイットニー美術館3階で、ロイ・リキテンスタインが亡くなった1997年の制作に焦点を当てる展覧会。壁画、大型彫刻、版画などの計画資料から、晩年の実験と新技術への関心をたどる。2027年6月1日まで。
文・NBT編集部 · 2026-10-16

ホイットニー美術館の3階で、ロイ・リキテンスタイン(1923–1997)の最後の1年に焦点を当てた展覧会「Roy Lichtenstein: 1997」が始まった。会期は2027年6月1日まで。5階で10月11日に開幕した大型展「Roy Lichtenstein: Like New」と並行して開催されており、あわせて見ることで、初期から晩年までの全体像がつかめる構成だ。
リキテンスタインはコミックや大量消費文化のイメージを絵画に取り入れ、ポップ・アートの時代を切り開いた作家として知られる。1997年、73歳になっていた彼は、アトリエでの絵画制作に加え、二つの壁画の依頼、複数の大型彫刻、新しい版画シリーズなど、多方面のプロジェクトを同時に進めていた。
本展が注目するのは、この時期に見られた表現の変化である。原色中心だった色彩に、ミントグリーンやターコイズ、コーラル、シアンといった鮮やかな色が加わった。さらに、作風の象徴だった太い黒の輪郭線を使わない作品も生まれ、初期のデジタル時代の画像感覚に呼応するような画面となった。一方で、ピラミッドや筆致といった自作のモチーフを再利用し、レオナルド・ダ・ヴィンチやアンリ・マティスの名作を引用する姿勢は、生涯を通じて変わらなかった。
リキテンスタインは1997年8月に体調を崩し、翌9月に肺炎の合併症のため急逝した。多くの計画が未完のまま残され、死後に制作・完成されたものもあれば、スケッチの段階にとどまるものもある。展覧会ではこれらのプロジェクトに関わる資料を集める。出品の多くはホイットニーの所蔵品で、新しい技術が画像づくりにもたらす変化への関心を伝える。
出品作の一例として、ラスベガスのベラージオ・ホテルの壁画のための習作《Bellagio Hotel Mural: Still Life with Reclining Nude (Study)》(1997年、コラージュと鉛筆、ボード)がある。横たわる裸婦像、縞模様、花瓶、窓が明るい色面で構成された作品だ。
企画はキュレーター・リサーチ・アソシエイトのデイヴィッド・クレーンと、キュレトリアル・アシスタントのナカイ・ファルコンが担当した。支援はデイヴィッド・ボルガー。
- 状況
- 開催中
- 会期
- 10月11日 – 6月1日
- 作家
- Roy Lichtenstein
- 会場
- Whitney Museum of American Art
99 Gansevoort Street, New York, NY
Google マップで開く - 開館時間
- 本日の開館時間 10:30〜22:00
- 見どころ
- 《Bellagio Hotel Mural: Still Life with Reclining Nude (Study)》(1997)
- ミントグリーンやターコイズなど新たに加わった色彩
- 太い黒の輪郭線を使わない晩年の作品
- 5階の「Like New」展とあわせて鑑賞





